「10浪で医学部失敗」彼が取った"まさかの決断" 長い浪人生活での学び、現在の仕事に生きる事
東洋経済オンライン / 2024年8月18日 8時0分
「うちは親が大学に行っているわけではないので、親のためにも行かなければならないし、親から自分のことを認めてもらいたいという思いがありました。
親は勉強をしていることをほめてくれなかったのですが、浪人生活をやめるときに代ゼミの先生に『めちゃくちゃお前はマニアなレベルだよ!よく1人でここまでやってきたよね、普通だったらここまでやれない』と言っていただけて、『自分のためにも親のためにも医学部に行く』という自分に課していた縛りから解放され、憑き物が落ちた感覚になりました」
10浪で薬学部に入ってからは、10個下の同期とのジェネレーションギャップに驚きながらも、サークルに30個近く入って交流し、「年上の後輩」のいじられキャラとして、さまざまなコミュニティーに顔を出し続けました。
「変わることが遅すぎた」
そして現在は、大学1年生の5月くらいから始めた塾・家庭教師のバイトをした縁から、教育業界に就職。リソー教育グループの家庭教師塾・名門会部門の社員として勤務しています。
「アルバイトを始めたとき、私自身いろんな失敗、経験をしてきたので、生徒に結果を出してもらうのにすごく燃えていました。そのきっかけもあって、教育業界に就職することになりました。
仕事では勉強というテーマを扱っていますが、いざ自発的に勉強をするようになるには、『変容』がキーになると感じています。
例えば、最終的に合格できなかったのは、「変わることが遅すぎたこと」。私自身が挑戦をする局面で、変われるエネルギーが残っていなかったと感じています。エネルギーが高い、若いときに『変わる決断をする』状態に持っていかない限りは、志望校に合格できないのが、自分の経験からもわかりました。
こうした私自身の挫折経験から、同じような状況に置かれる生徒を1人でも減らし、”変容する”ためのお手伝いをしたいと思ってこの仕事をしています」
10年間、苦手な勉強に向き合い挫折をした経験があったからこそ、多くの生徒に合った適切な勉強法を提示するのに役立っているのだと思いました。
尾形さんの浪人生活の教訓:自身が試行錯誤する中で経てきた膨大な変容のプロセスは、次に道を進む人たちの道標となる
濱井 正吾:教育系ライター
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