訪日客が「ドン・キホーテ」に必ず足を運ぶ理由 最新決算に驚愕!DQNの店から「みんなの店」に
東洋経済オンライン / 2024年8月20日 9時0分
個人的な話だが、中国人の経営者らが訪日するたびに講演を依頼されるテーマがある。「なぜドン・キホーテは絶好調なのか」。それは私が書籍『ドン・キホーテだけが、なぜ強いのか?』を上梓し大好評だったためだ。読んでくれた中国人読者が、繰り返し私に依頼してくれる。
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ドン・キホーテはDQNの場所から誰もが集まる場所へ
これまで何度もこのテーマで話し、さらに中国人の経営者をドン・キホーテの実店舗にお連れし、希望者にはアダルトグッズの紹介すらした(私が「ためしに買ってみたら」という推薦を言い訳に買ってみるらしい)。
中国人の経営者からしたら、日本の小売業は世界で一番ややこしい日本人消費者に商品を販売していると映る。だから先端の施策を重ねている店舗にほかならない。ドン・キホーテがどのような工夫をしているのかを知るのは、世界の先端の施策を知るのと同義なわけだ。
そこで私はこのような話からはじめる。「日本人にとって、ドン・キホーテはかつて『行った、という事実も語れないくらいの怪しげな店舗だったんですよ』と。ドン・キホーテの前身は「泥棒市場」という怪しげな店舗だった。接待業の女性と同伴する男性を対象とし、酔っているから余計な商品も買ってくれるはずという笑える方針だった。そして圧縮陳列な馬鹿げたPOPの洪水で人びとを消費に向かわせた。
私の中国人経営者向けの講演に戻る。ドン・キホーテとはどのような位置づけだったか。「もっといえば、学校のクラスでヤバい生徒が買い物をする店舗だったんですよ」と。もっといえば、DQNと称される消費者向けの店舗だった。
中国人の経営者にとってはドン・キホーテがかつての日本でDQNが集まる巣窟という話からはじめると、その事実は意外のようだ。私が中学生のころ、ユニクロで服を購入した同級生が「ダサい」と認定を受けた。同様の経験をした読者と相似形だ。
しかし、ドンキもユニクロも、たった30年で消費するに当然の場所になった。ブランドイメージは短期間で変わる。ドン・キホーテも「DQNが集まるヤバい場所」から「誰もが集まる場所」へ転換した。現在では、ドン・キホーテで買い物をしただけでDQNと認定する同級生はいない。またユニクロを着ているだけでヤバいと認定されるなら、今は昔で、現在ではセレブの日本人すらもユニクロを着用している。
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