味坊「800円モーニング」にふと申し訳なくなる朝 コスパ良好…どころか、良すぎて経営が心配に?
東洋経済オンライン / 2024年8月24日 8時0分
中華粥は日本のお粥よりもさらに水分が多めでどろっと感はなし。とろとろだけどさらさらの仕上がりです。しっかり煮込まれているようで、米粒の半分ぐらいは溶け、口に含むとホロホロとくずれていきます。
この中華粥、お粥の具材は青菜のみ、味付けはほとんどされていない白がゆです。お粥ブースにはトッピングの小松菜が用意されていますが、こちらもお漬物ではなく茹でただけ。食べるとお米の滋味を感じる優しいお味。おいしい、おいしいんだけど少し物足りない。
ここからが、味坊モーニングの醍醐味です。お漬物をトッピングしたり、塩気の強いソーセージやチャーシューと一緒に食べたり、味の足し算を楽しみまくるのです。辛味や塩味や酸味の強い料理を、薄味の中華粥がまろやかにして、どれもこれもを朝ごはんにぴったりなおかずに変身させるのです。
お漬物は八角やクミンなど、中華料理ならではのスパイスやピリ辛の味付けで、ソーセージも日本の皮がプリプリ中は肉汁ジュワーではない、みっしりと肉のうま味が詰まった噛めば噛むほどうま味が溢れるタイプのやつ。
サラダは、キャベツ、きゅうり、にんじんというお馴染みのお野菜トリオながら、ごま油と鷹の爪で味付けされ、中華風の浅漬けといった趣きです。さまざまなおかずや調味料と組み合わせて、味の足し算を満喫しました。
点心も手抜きなし、本格的な味わい
個人経営の町中華で点心を注文すると「あれ?もしかして冷凍食品使ってるよね?」ということがあります。小さなお店の場合は、餃子はともかく焼売や肉まんまでは手がまわらないよというのも、いたしかたないところ。「もちろんおいしいんだけど、味が画一的でちょっぴり残念だなぁ」と思うこともしばしば。
実は「味坊」は点心までぬかりなし。「点心まで具沢山でおいしくてすごいけど、お店で作っているのかしら?」と調べたところ、自社工場「味坊工場」で餃子や焼売から、麺、調味料にいたるまで製造することで、日本にいながら中国東北地方の味を提供していました。
モーニングCセットの点心もチープさなし。肉焼売も雲呑も薄皮で具沢山ですし、えび蒸し餃子にいたっては、皮は半透明で宝石のよう。お箸で割ると「小エビなのに大きいね!」という、指の第1関節分ぐらいのサイズ感のエビがまるっと出てきました。
皮のもっちり、エビのプリプリに、たけのこのシャキシャキが三位一体となり、まあこれがおいしい。小洒落たお店の飲茶アフタヌーンティーに勝るとも劣らぬ味わいです。
知る人ぞ知る、だけど大人気の朝中華
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