1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「中国AI」はChatGPTを超えるか?驚く実態(前編) 【現場報告】「未来のBAT」はどこから生まれる?

東洋経済オンライン / 2024年8月26日 9時30分

「ChatGPT」がなぜ中国ではなくアメリカで生まれ、縮まりつつあるとはいえ、なぜまだアメリカと中国で差があるのでしょうか(写真:ELUTAS/PIXTA)

実は中国はAIの論文数および特許数において世界最多を誇る。

中国がアメリカと並ぶAI大国であることに異論はないだろう。

ところが、中国AIの「本当の」現状を把握するのはなかなかに難しい。

理由は2つ。ひとつは、中国国内のネットユーザーは、グレートファイアウォール(金盾)によって、ChatGPTなどの海外のAIサービスを使用できないこと。

そしてもうひとつが、海外のユーザーも中国のAIサービスを使用するには、中国国内の電話番号を持っていないと使用できないケースが多いことにある。

そのために、AI大国である中国のAIの現状が、内側からも外側からも正確に捉えられていないというわけだ。

そこで、北京でインターネット広告会社を4年間経営し、北京大学MBAにも通う岡俊輔氏が、「中国AIのリアルな現在地」の実像に迫ったレポートをお届けする。

*この記事の続き:「中国AI」はChatGPTを超えるか?驚く実態【中編】

*このシリーズの3回目:「中国AI」はChatGPTを超えるか?驚く実態【後編】

12年前の予感が的中した

昨今、インターネットの波、スマートフォンの波に続く、AIという第三の新しい波が来ています。

【実際の画像で見る】中国の生成AIを使ってみた「驚きの結果」と「盛り上がる中国の生成AI市場」の写真

この1年ほどでアメリカ・OpenAI社の生成AI「ChatGPT」は世界に衝撃を与え、GAFAMを含む世界のインターネット業界に地殻変動が起こっていると言っていいでしょう。

中国でも状況は同じです。ChatGPTの存在は、中国版GAFAMといわれるBAT(バイドゥ、アリババグループ、テンセント)の枠を超え、インターネット業界全体に大きな影響を与えています。

あらゆるインターネット企業が、こぞって生成AIを強く意識することになりました。

こうした中国における生成AIの盛り上がりには、実は既視感があります。

今、中国で「weixin」(微信)というアプリがとても流行っています。昨年の一月にサービスをスタートして、昨年末にダウンロード数が5000万を突破しました。
(中略)最近、日本国内でも「LINE」というメッセンジャーアプリが2000万ダウンロードされ話題になっていましたが、ほぼ同様の機能を持つ「weixin」は「LINE」の半年前からサービスを開始していました。

これは、私が12年前に書いた記事です。

中国では「weixin(ウェイシン)」と呼ばれていた、「WeChat(微信、ウィーチャット)」というサービスを、おそらく初めて日本のメディアで取り上げました。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください