1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

英チャールズ国王の元側近が語る「紳士の教養」 名門ラグビースクールの日本校を創設した背景

東洋経済オンライン / 2024年8月28日 14時0分

人類社会の多くの重要かつ核心的な分野でのゲームメーキングの主体は、あくまでアングロサクソンのままです。プレーヤーのままですと、せっかく頑張ってもゴールポスト自体が動くことがあります。だからゲームメーキングする側に入っていかないと面白くない。

ただ、イギリスが閉鎖的で陰謀論的に世界を牛耳ってきたのかというとそういう意味ではありません。私が身をもって体感したことですが、イギリスの社交界の中枢でも、ラウンドテーブルの座席はつねにそこにオープンに用意されている、ということです。誰でも豊かな教養の上に成り立つ新しいユニークなアイデアがあれば、扉を叩いてそこで意見を述べることができるし、われわれはその舞台に非常に歓迎されます。

そして、そのような人物であれば、1つの地域の課題や物語を超えた、人類全体の未来の枠組み作りや価値観の形成に貢献できます。ただ、そこに座りにいくアジア人がいるかといえば、あまりいないのが現状です(僕は王室の8年間でSir David Tangという1人にしか出逢いませんでした)。

白洲次郎さんが有名かもしれませんが、明治時代の日本の偉人であれば、世界と対等に話ができ、世界のルールづくりにかかわるような人物がいたと思うんです。

そういった枠をはみ出て未知の領域をこれから定義していく重量級の人材育成には、新たな選択肢も必要だと思っています。国という枠組みのなかで整備されてきた公立とも私立とも違う、完全に国とインデペンデントな教育環境です。現在の日本や中国が定めた学習指導要領だけでそういった重量級の人物を輩出することは可能か? そう思ったことが、学校をつくり、教育の世界に情熱を傾けようと決意した理由です。

堀内:なるほど。そうした思いがあって、人格形成を重んじる中等教育に熱意を傾けているのですね。

フェイフェイ:その通りです。そのために1567年に英国で創立されたラグビー校と日本の三井不動産、国立千葉大学と協力して、Rugby School Japanを昨年9月に開校しました。英国側もアジアを重視していて、姉妹校という拠点を持つことで、国際教育連携を通じて英国の生徒たちにも世界認識とネットワークを広げてもらうという思いがあるようです。

ラグビー校の教育が目指すもの

ラグビー校の日本校は中高一貫校で、いわゆる中等教育を担っていますが、イギリス人の多くが、そして私も同様ですが、中等教育がもっとも重要だと考えています。中等教育というのは、まさに人格形成の時代であり、そこで自身の考え方や価値観などのマインドセットがどう形成されるか。これが教育においてもっとも重視されるべきだと考えるのです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください