3週間で完売「未来のレモンサワー」再販までの道 世界初レモンスライスを入れた缶チューハイ
東洋経済オンライン / 2024年8月28日 10時0分
6月11日に、地域限定で発売された「未来のレモンサワー」。発売後3週間のうちに、各売り場で品切れ状態になった。希望小売価格(税込み)はオリジナル298円、プレーン298円と、RTDにしては高め(編集部撮影)
「パカッ」という小気味良い音とともにふたを開けると、開口部に向かいゆっくりとレモンが浮かび上がってくる。
【写真】缶に充填する前のレモンスライス。液糖になじませたあと乾燥し、ドライフルーツの状態にする
世界で初めて、レモンスライスを入れた缶チューハイとして、アサヒビールから2024年6月11日に発売された「未来のレモンサワー」。首都圏・関信越で数量限定で発売するも、すぐに品薄、売り切れ状態となり、「どこに行ったら買えるの?」という声がネットやSNS上で巻き起こったようだ。
各社がしのぎを削る「レモンサワー」
数年前から高まっているレモンサワー人気は、いまだ衰えることなく続いている。
誰もが味で一番に推すのは、居酒屋で提供される生レモンサワーだろう。
爽やかな香り、唾液腺をキュッと刺激する酸味、喉を刺激する炭酸の爽快感……1日の終わりに飲めば、蒸し暑さ、仕事の疲れ、ストレスなどをスカッと吹き飛ばしてくれる。
RTD=Ready To Drinkと呼ばれる缶入りアルコールの市場でも、この「居酒屋のレモンサワー」を目指し各社がしのぎを削ってきた。
20年以上のロングランがキリンの「氷結」。原料からエキスを低温抽出する独自の技術を使っている。同じくキリンでは、果実とお酒だけを原料とした「本搾り」シリーズも、果実のフレッシュさを感じさせる点で群を抜く。
サントリーの「−196℃ストロングゼロ」も、瞬間冷凍させた果実を丸ごと使った味わいが特徴のロングセラー。
上記のレモンサワー第1世代に対し、キリンの「麒麟特製レモンサワー」、サントリーの「こだわり酒場のレモンサワー」などが、近年のレモンサワー人気を受けた第2世代と言えるだろう。
【2024年8月28日9:20追記】初出時、メーカー名に誤りがあったため上記のように修正しました。
さらに第2世代の中でも、ソフトドリンクのメーカー発という意味で異色なのが、日本コカ・コーラの「檸檬堂」だ。九州地区での限定販売を経て、2019年から全国発売された。すりおろしたレモンの皮をあらかじめお酒に漬けておくことで、ちょっと苦味がある、よりレモンらしい味わいを追求した。
近年のレモンサワーブームでは、各居酒屋でも、レモンを凍らせたり、漬けたり、写真映えよくジョッキにスライスをどっさり入れたりとオリジナルの工夫を凝らしている。RTD市場におけるレモンサワー第2世代商品にも、こうした影響を見てとることができる。
浮かび上がるレモンスライスが特徴
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