英ロータス「イメージ覆す」大変革の意外な中身 伝統的スポーツカーメーカーがSUVを作る意味
東洋経済オンライン / 2024年9月3日 17時0分
ロータスと聞いて心がざわざわする人は、筋金入りの自動車ファンだろう。
【写真】エリーゼやエキシージのイメージから一変して大型の電動SUVもラインナップ
1960年代から1980年代にかけてのF1グランプリでの華々しい活躍と、量産スポーツカー(中にはボンドカーも)の数々で名声を確立したのが、英国のロータスである。そんなロータスがいま、大きく変わりつつある。
「“ロータスといえばスポーツカー”とする日本市場はむしろ例外的」と、驚きの内容を語るのは、ロータス・テクノロジー・イノベーティブ・リミテッドのダン・バルマー氏だ。
日本を含めたアジア太平洋・中東・アフリカのプレジデントおよびCEOである英国人のバルマー氏は、2024年7月末に来日。ロータスのいまと少し先の未来、そして日本市場での戦略を語った。意外な内容が多いインタビューである。
ロールス・ロイス、アストンマーティンを経て
―いままでの経歴を教えてください。
本格的なキャリアのスタートは、2000年代初頭のロールス・ロイスです。BMW傘下で新たなスタートを切ったロールス・ロイスで、ブランド新生プランのプロジェクトチームに加入しました。
12年間、ロールス・ロイスに籍を置いたあと、アストンマーティン・ラゴンダのグローバルマーケティングのディレクターとして2014年から2021年まで務めたあと、同年8月にロータス・テクノロジーへと転職しました。
―ロータスは当時、いまひとつ“パッとしない印象”がありました。大胆な転身ですね。
アストンマーティンでの役割とは、まったくちがうチャレンジをしたかったのです。ロータスはブランド認知度が低く、グローバルブランドというには、投資もリソースも、そしていくつかの分野での重要なノウハウも欠けていました。私は、ロータスに入社して「グローバルブランドに育てたい」という意欲をもって、転職を決意しました。
【写真】エミーラ、エヴァイヤ、エレトレ…ロータスの最新ラインナップを見る(37枚)
―2000年代のロータスといえば、「エリーゼ(英国風の発音はエリス)」と「エキシージ」それに「エヴォーラ」と、ラインナップは限定的でした。
おかげで、といいますか、創設者コリン・チャプマン(1928年−1982年)の時代から、ロータスのライトウェイトスポーツカーを大きく評価してくれていたのは日本です。
日本では「ロータスといえばスポーツカー」「スポーツカーといえばロータス」というイメージを持たれており、ロータスにとって大変重要な市場でした。
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