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45歳以上は知らない「学校で教わる"新常識"」 「家庭科の教科書」にギャップを埋めるカギ

東洋経済オンライン / 2024年9月3日 12時0分

『16歳からのライフ・シフト』にもありましたが、これからは「学びの期間」「働く期間」「引退後の期間」といった3ステージの人生ではなくなります。しかし日本では、リンダさんが提唱する「学びも仕事も続けるマルチステージモデル」が、イメージしにくいのだと感じます。

小林:その通りだと思います。いままで、子育てしてきた方々は、小中高と12年間かけて勉強して、できるだけいい大学や会社に入る、学びはそこで終わりといったイメージが、意外とまだあるような気がします。大人から意識を変えていく必要がありますね。

篠田:リンダさんは「人生はいつからでもやり直せる」「活躍できるステージはいくつもある」と言いますが、肝心の親世代がそう思っていない。その苦しさのようなものが子どもたちに伝わっちゃっているのでしょうね。学校では人生設計についてどのように教えているのですか?

小林:いままさに、専門の研究者のみなさんが、人生100年時代においてどのような力を学校教育で育むべきかを議論しています。やり抜く力、仲間と協力して物事を解決していく力、クリティカルシンキングなどの非認知スキルが重要だという学力観に変わってきていますね。

篠田:若い人たちが将来を不安に思っている要因はもうひとつあると思っていて、それが世代間ギャップではないかと思っています。

私は仕事柄、働く人たちの話を聞く機会が多いのですが、とくに大企業などで、40〜50代の管理職の方がいて部下の方が20代だったりすると、「いまの若い人たちの考えが全然わからない」と聞くことが多い。断絶してしまっている。

小林:これは東京のデータですが、いま、中高生のうち3世代で生活しているのは40人のうち2人ほどです。そうすると、日常的に高齢者と接する機会がない。子どもたちに「高齢者のイメージは?」と聞くと、もうショックを受けるくらい本当に悪いイメージです。「老害」という言葉を鵜呑みにしているんですよね。

篠田:祖父母と同居している人が少ないのはたしかにその通りですね。私自身を振り返ると、祖母が隣に住んでいてかなり高齢になるまで元気だったので、歳をとることに対してポジティブにいられた。

小林:そこで中学生に、高齢者の方にインタビューをする機会を作ったことがあるんです。「ご自身がどんな人生を送り、若い人たちにどんなことを伝えたいのか」を聞いてきてもらった。すると、中学生たちは知らなかったこと(人生のヒントなど)をたくさん聞けて非常に楽しかったと言っていました。

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