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人生の「先延ばし問題」解決するたった1つの盲点 意志の強さや努力量よりも大事な考え方がある

東洋経済オンライン / 2024年9月4日 9時0分

人間は、未来の自分が経験する感情を理解できないのだ。

さらに遠い未来になると、自分が何を重要視するかも変わる、という話が本書で出てくる。今大好きなアーティストがいて、そのアーティストのライブならいくら払っても行きたい、と思っていても10年後には興味がなくなっているかもしれない。理屈ではわかっていても、自分の今の感情は現在進行形の「生(なま)のもの」なので、なかなかそうは思えないのだ。

未来の自分とのつながりを強化する

ここまでの話をまとめると、大事なことは、

・未来の自分を鮮明に想像し、自分だと思う、または親しみを感じる対象であると認知することは大事である
・人は、現在の自分の感情は、未来の感情よりも大事なものとして扱ってしまう

ということだ。

未来の自分とのつながりが強ければ強いほど親近感を感じ、倫理的な行動をとる傾向があるということらしい。一方で、現在の感情には引っ張られてしまうので、ここを解決することが、なりたい自分になるための重要なポイントであるわけだ。

もちろん、本書では、それを解決するための具体的な方法がいくつも紹介されている。上記で挙げたような、未来の自分を具体的にイメージすることから、未来の自分に手紙やメールを書くことも推奨されている。自分の顔写真を老化させるアプリを使って、未来の自分をよりリアルにイメージすることも紹介されている。

将来の自分と定期的に対話をする時間を設けるという提案もある。未来の自分はどのような回答をするか? をくり返すことで、より身近に未来の自分を感じることができるようになるのだ。

考えてほしいこと

この本を勇んで読もうとする前に、1つだけ試してみてもらいたいことがある。

それは、この本を読み終わった後の自分にメールを書いてみることだ。材料は、この序文のものだけを使って、「こんな内容ではないか」というのを想像して送ってしまえばいい。

そうすると、まず「未来の自分との距離が近くなり、親密に感じられる」という体験ができる。さらに、この本を読んだ後の自分の姿を想像することになり、未来の自分の解像度が上がる。本の方向性をある程度わかった上で読み進められるので、理解度も上がるはずだ。私が本書を読んでいちばんに感じたことは、「自分の未来と、親密になろうという発想がいっさいなかった」ということだ。

将来こうなりたい、という状態があったり、その状態を想像できる人は多いと思う。しかし、その未来の自分と、親密な家族や友だちのような感覚を持てている人はどれくらいいるだろうか。おそらく、ほとんどの人が考えたこともないのではないか。未来の自分は、当たり前のように今の未来の自分とつながっているものだ、と感じるのが普通である。

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