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東大生が出題!「思考力」をぐんと高めるクイズ 入試問題はただ暗記したら解ける内容から変化

東洋経済オンライン / 2024年9月5日 10時0分

なんと世界で貿易されている大豆の約6割を、中国が消費しているのです。これはなぜか考えなさい、という問題ですね。

他のデータも見てみると、中国は世界で4番目に大豆の生産量が多い国でありながら、ブラジルやアルゼンチンから莫大な量の大豆を輸入しています。

「うーん、中国人が大豆を好んで食べるのかな。でも、中華料理に大豆を使った料理ってどんなのがあったかな」

と考えてしまうと、この問題は答えられません。思考力を問う問題が解けるようになるためには、そもそも、「事実」と「解釈」をしっかりと分けて考える必要があります。

例えばみなさんは、ここまで読んで、この問題は「中国人はなぜ、大豆を世界一食べるのか」という問いだと勘違いしていませんか?

実はそれは間違いです。ここまで出てきた「大豆の輸入量世界一」「世界で4番目に大豆の生産量が多い」という情報は、あくまで「輸入量」「消費量」について触れているだけです。「食べている」とは一言も書いていません。思考力を使った問題では、こうした微妙なニュアンスの違いをしっかり意識する必要があります。

この問題で問われているのは、「中国人はなぜ、大豆を多く消費するのか」ということです。では、「消費」とはなんでしょうか? この問題を解くためには、「消費」という言葉の定義がカギになります。

「消費」という言葉には、いろんな解釈が考えられます。もちろん人間が食べるのも「消費」ですが、何か工業に使うのも「消費」ですし、人間以外の動物が食べるのも「消費」です。「人間が食べる以外の方法で、消費しているとしたら、どんな方法だろうか」と考えていくと、答えが見えてきます。

豚を育てるための飼料として使用

正解は、主に「飼料用として、家畜に食べさせている」からです。中国では、豚肉が好んで食べられています。中華料理でも、大豆はぱっと思いつきませんが、豚肉を使った料理は多いですよね。

そして、その豚を育てるための餌「飼料」として、大豆の需要が増えているのです。国内の生産だけでは足りない分を輸入して、豚に消費させているというわけですね。

「思考力を問う問題は、訓練をしても解けるようにならない」と考えている人も多いかもしれません。

実際、「思考力を身に付ける」と言われると、どんなふうに身に付ければいいのか分からなくなってしまいますよね。

でも「事実と解釈を分けて考える」「言葉の定義をしっかりと考えて問題に取り組む」などの、「技術」を身に付けると、思考力を一段と高めることができます。

西岡 壱誠:現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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