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「電動モビリティ」最大手のLime、日本再上陸の勝算 2026年までに日本市場で2万台の展開を計画

東洋経済オンライン / 2024年9月9日 23時0分

初回の貸出時に交通安全クイズに答える必要がある(筆者撮影)

東京の街並みを走るLUUPの水色のキックボードはもはやお馴染みの光景となったが、これからはライムグリーンも目に入るようになるだろう。電動マイクロモビリティのシェアサービスで世界最大手のLimeが日本に再上陸した。

【写真で見る】どんな形?Limeは「電動キックボード」と、座って乗れる「電動シートボード」の2種類を日本で展開する

コロナ禍をきっかけとした戦略転換

同社は9月6日、戦略発表会を実施した。8月末に日本市場に再参入して以来初の大きな発表会で、Lime日本法人のカントリーマネージャー兼アジア太平洋地域統括責任者のテリー・サイ氏と、親会社Neutron Holdingsのウッディ・ハートマンCOOが登壇。最初の包括的提携として、三井住友海上火災保険との提携が発表された。

Neutron Holdings(Lime)はマイクロモビリティのシェアサービスで世界最大手の企業だ。2017年の創業以来、急速に事業を拡大し、現在は世界32カ国、280以上の都市でサービスを展開している。ニューヨーク、ロンドン、パリ、ベルリン、ドバイ、シドニーなど、世界の主要都市で事業を行っている。

【写真】「電動キックボード」と座って乗れる「電動シートボード」の使い方や仕様を詳しく見る

しかし、2020年のコロナ禍で大きな打撃を受け、多くの市場から撤退を余儀なくされた。12の重要市場からの撤退や従業員の14%のレイオフを実施し、CEOの交代も行った。この危機を契機に、Limeは戦略を大きく転換。モビリティの自社開発や地域との連携強化を重視する方針へと舵を切った。

この戦略転換が功を奏し、2022年にはグローバルベースで黒字化を達成。2023年には業界トップの座を確固たるものとし、アクティブユーザー数で最も近い競合他社の2倍以上の規模に成長した。2023年の実績では、年間1億5000万回(1秒あたり5回)の利用があり、総収益は6億ドルを超えた。また、1億ドル以上の調整後ユニット収益を達成し、高い収益性も示している。

Limeは現在、カーボンフリーで手頃な価格の交通手段を提供することをミッションとし、気候変動対策の一環として、より効率的で環境にやさしい都市交通の実現を目指している。

Limeの重視するポイント

ハートマンCOOは、2020年の危機を乗り越えた後のLimeの戦略について、3つの主要ポイントを強調した。

第一に、Limeは独自のハードウェア開発に注力している。競合他社が外部調達に依存する中、自社エンジニアによるインハウス開発を選択。交換可能なバッテリーや、ペダルやシートなど個別部品の交換が可能なモジュール式設計を採用。ユーザー体験の向上と製品寿命の延長を図っている。

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