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「悪しき"昭和の組織文化"」は"職場を殺す"大問題 「古い価値観」を引きずったままの経営陣では…

東洋経済オンライン / 2024年9月13日 9時0分

風通しがよく、オープンで軽やかな空気の会社もあれば、閉鎖的で重苦しく、淀んだ空気の会社もある。

組織の空気が重く、上からの「圧」がきわめて強ければ、現場で深刻な問題が起きても、それを上に上げることができない。上に上げようとしても、真正面から向き合ってくれない。現場は問題を抱え込み、孤立する。

その結果、現場は不正や不祥事を起こしてしまう。そして、その根底には日本の産業構造に潜む「Master-Slave」の関係性が色濃く影を落としている。

実際、品質不正や不祥事を起こした企業に共通するのは、組織風土の問題である。

こうした企業が立ち上げた第三者委員会の報告書を読むと、必ずと言っていいほど「組織風土に問題がある」という結論になっている。

モノが言えない「風通しの悪い組織カルチャー」の企業が、現場を蝕み衰退させるのは明らかだ。そのような組織では、従業員の意欲を削ぎ、人が去っていくのは当然のことである。

組織カルチャーを抜本的に変えない限り、「新しい現場力」の創造は実現不可能なのだ。

「3つの要素」が強靭な組織を育てる

組織力は「組織風土」「組織文化」「組織能力」の3つの要素で成り立っている。これら3つの要素が積み重なり、強靱な組織はつくられている。

★組織風土
会社や業界の違いに関係のない、共通的・普遍的な組織要件。心理的安全性が高く、自由にものが言える環境が整い、お互いに協力し合う関係性が担保されている。

★組織文化
それぞれの会社の歴史や成功体験から生まれてくる独自の価値観や「らしさ」。これによって会社は個性的になり、独自のアイデンティティが確立される。

★組織能力
戦略の実行過程において粘り強く問題を解決し、結果を生み出し、ビジョンを実現する組織の実行能力。この組織能力こそが現場力である。

ちなみに、私は「組織風土」と「組織文化」を合体させたものを「カルチャー」と定義している。

きわめて多くの日本企業は、組織の土台となる「組織風土」が傷んでいる。

経営は「木」にたとえるとわかりやすい。

事業は木の「幹」である。太くて立派な「幹」を育てることが、経営の本分である。太い「幹」が育てば、やがて「枝葉」が伸び、「花」が咲き、「実」がなる。「花」や「実」が利益であり、顧客満足である。

私たちはどうしても外から見える「幹」や「花」や「実」にばかり目がいきがちだが、最も大切なのは、その「木」が立っている「土壌」であり、その土の中にある「根っこ」である。

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