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「電話恐怖症」の背後にある"社交的不安"の正体 2015年頃から顕著になった「会社をやめる理由」

東洋経済オンライン / 2024年9月13日 7時0分

「電話がこわい」という傾向は年々強くなっています(写真:viola/PIXTA)

こんにちは。「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。

【画像】「電話恐怖症」のチェックリスト。4つ以上に当てはまる人はすでに電話恐怖症かも?

「電話が苦手で会社に行きたくない」「電話の着信音が鳴ると動悸が激しくなる」。近年、若手社員からの悲鳴にも似た声が、相談現場で聞かれるようになりました。今や「オワコン」とも言われている電話ですが、必要性を感じる場面もあり、ツールとしての関わり方を模索している人も多いと思います。なぜ電話が怖いのかについて、拙著『電話恐怖症』から、一部抜粋・再構成してお伝えします。 

「電話」が退職の理由

実際に現場で、入社後1年未満で会社をやめる社員の理由に「電話」があげられるようになったのは2015年ごろのことです。 

ある会社では、「新人は電話に出る」「3回コール以内に出る」という暗黙の了解がありました。現在は、これを強要すると、ハラスメントになってしまう可能性もありますが、古い体質の会社だとまだ社内風土として、残っているところもあるのではないでしょうか。

該当新人社員は、家に固定電話がなく、受話器を取って応答する電話機に慣れていなかったそうです。上司は「電話くらい出られるだろう」と軽く考えていたのですが、その方にとって固定電話機は初めて使う未知の機械でした。

出たことがないから、受話器を取るのがこわい。携帯電話でしか話したことがないので、職場のような人前で、固定電話を使って話す行為にためらいを感じてしまう。しかし、新人は電話に出なければいけません。「おい、鳴ってるぞ」と上司から言われ、受話器を取って、しどろもどろで話していると、「電話くらいちゃんと出られるようにしろよ」とまた叱責されます。

そのうち電話に出るのがこわくなり、会社に向かおうとすると、お腹が痛くなったり、電車の中で激しく動悸がしたりするようになったそうです。結局、出社できなくなり、相談に来たケースです。固定電話を使ったことがない若い社員に多い事例といえましょう。

また似たような例で、在宅勤務にもかかわらず、「電話に出るのがこわくて退職した」という例もありました。コロナ禍で、在宅ワークに切り替わったときのことです。上司からかかってきた電話にすぐ出られず、「何してたんだよ。業務中なのに出ないってどういうことだよ」と叱責されたことがきっかけになりました。

おそらく、上司は部下の姿が見えないことで、疑心暗鬼になっていたのでしょうが、在宅勤務中でも、トイレに行くことはあるでしょう。何かのタイミングで電話に出られないこともあります。

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