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38歳"人生の起伏"を経て「心整える」ひとり暮らし 40代に向けて再構築「自分で自分の機嫌を取る」

東洋経済オンライン / 2024年10月8日 10時30分

ライターの仕事に面白味を感じ始めていた頃、鈴木さんに新たなチャンスがめぐってきた。

「知り合いの編集者とお酒を飲んでいたとき、京都の自転車屋さんで働いていたときに出会った人々のことを話していたんです。

『京都には小規模でも自分が好きなことを仕事にしている、ユニークな人がたくさんいる』と伝えたら、興味を持ってくれて。トントン拍子で書籍化が決まりました」

鈴木さんの著書『京都の小商い~就職しない生き方ガイド~』(三栄書房)は、京都で小規模事業に取り組む人々のインタビュー集で、自営業の魅力が詰まった本だ。同じような生き方を目指す読者からの、反響も大きかった。

社会にもまれて離職・離婚、30代の挫折

フリーランスとしての働き方を満喫していた鈴木さんだが、30歳を機にオウンドメディア(企業の自社メディア)支援に特化した編集プロダクションに就職する。苦労が始まったのは、それからだ。

「30代になるタイミングで就職をしたのは、会社の中で働いて『集団でもちゃんとやれる』という自信をつけたかったのだと思います。20代にある程度の成果を出していたので、会社員になっても多少はやれるだろうと、根拠のない自信がありました。

ところが就職したコンテンツマーケティングの会社では、まったく成果を出せなかったんです。そのことで鬱状態になって。結局、離職することになりました。それは自分にとっては大きな挫折でしたね」

企業のPRメディアを製作・運営する仕事は、ライターの経験がある鈴木さんに向いている仕事のように思える。しかし会社で要求されるスキルは、それまで経験してきたものとはまるで違うものだった。

「執筆・編集に加えて、その会社ではマーケティングの知識やクライアントとの折衝などが必要でした。その点、僕は執筆経験はあっても、社会人経験が圧倒的に足りなかった……。

そんなこともあって成果が出せず、周囲のデキる人と比べては劣等感を募らせていました。数字が上がらないだけでなく、仕事のミスから炎上騒ぎを起こしてしまったこともあって、自分を責める日々でした。

当時はいつも仕事のことが頭から離れず、つねにスマホやPCで数字を追いかけていましたね。そうこうするうちに、鬱状態になってしまったのです」

WEBのメディアはどれくらい記事が読まれたか、また読み手がどんなアクションを起こしたかまでが、数字となって表れる。鈴木さんは追い詰められ、負のスパイラルに飲み込まれてしまった。

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