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中嶋聡監督の「電撃退任」で組織に起きうる大変化 令和の名監督の凄さと限界、最後に与えた教え

東洋経済オンライン / 2024年10月9日 13時50分

中嶋監督が行ってきたマネジメントの“すごさ”と“限界”、そして電撃退任がチームの“復活のきっかけ”になる可能性を考察する(写真:時事)

25年ぶりのリーグ優勝、46年ぶりの3連覇――オリックス・バファローズに黄金期をもたらした中嶋監督が“電撃辞任”を発表した。今季は5位に沈んだとはいえ、監督初年度から優勝を果たし、選手に寄り添う優しいリーダー像や、若手抜擢の姿勢を見せた手腕を評価し、退任を惜しむ声は多い。

しかし、今季チームを見ていると、少なくない選手に「ゆるみ」や「たるみ」が見られた。いくら名将といえど、限界もあるのだろうか。いや、選手に寄り添う監督だったからこそ……なのかもしれない。ビジネスの世界で、「部下に寄り添うリーダー」が、ずっと成果を出せるとは限らないように。

本稿では、中嶋監督が行ってきたマネジメントの“すごさ”と“限界”、そして電撃退任がチームの“復活のきっかけ”になる可能性について、ビジネス・マネジメントのプロとともに振り返りつつ、考察していきたい。

監督初年度から3連覇、黄金期をもたらした功労者

中嶋監督は1987年に阪急へ入団。その後、西武ライオンズ、横浜ベイスターズ、北海道日本ハムファイターズでプレーし、2007~15年はファイターズのバッテリーコーチも兼任していた。

【画像】こんなにもいるのか…中嶋監督が「才能を開花」させた選手の例

引退は2015年で、その後はファイターズのフロント業務を担当し、2018年は1軍バッテリー兼作戦コーチとして現場へ復帰。同年限りでファイターズを退団して、2019年にバファローズの2軍監督を務めると、翌2020年は成績不振のため辞任した西村徳文監督に代わって監督代行へと就任した。

そして正式に監督へ就任した初年度の2021年、2年連続で最下位に沈んでいたチームを率いて25年ぶりの優勝へと導いた。同年は、同じく最下位から優勝を果たした東京ヤクルトスワローズと日本シリーズで戦い敗れるも、連覇となった翌シーズンは同じマッチアップを制して26年ぶりの日本一に輝いた。そして2023年シーズンも優勝し、3連覇したのは冒頭にも触れた通りである。

この3年を振り返ると、まず初年度は「ラオウ」杉本裕太郎の飛躍が大きかった。前年に1軍で放ったホームラン数はわずか2本ながら、2軍時代から目をかけていた中嶋監督が4番に抜擢すると、32本を放って本塁打王を獲得した。他にも、サードへコンバートした宗佑磨(ショートから外野にコンバートされた過去を持つ)、2年目の紅林弘太郎といった若手が活躍を見せた。

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