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中嶋聡監督の「電撃退任」で組織に起きうる大変化 令和の名監督の凄さと限界、最後に与えた教え

東洋経済オンライン / 2024年10月9日 13時50分

4連覇を逃し、来季からは新監督が指揮を執るバファローズ。今年の悔しい経験をばねに、黄金期を途絶えさせないようにするにはどうすればいいのか。

横山氏は、ビジネスの世界でトップに君臨し続ける企業とそうではない企業の例を出しつつ、「過去をリセットできるかどうか」が分かれ目だと話す。

「業界トップに長く君臨する企業の特徴は、過去の成功体験をリセットできること。過去はあくまで過去で、前年に活躍したからといって、そのメンバーが今期も活躍できるとは限らない。

例えばある建設会社では、福岡の支店が全国ナンバーワンの成績を何年も続けていたが、やや業績が落ちてきたタイミングで成績トップと2位の営業を、他の支店へ異動させた。これに奮起した福岡支店の他メンバーが活躍を見せ、その年も支店としてナンバーワンの成績を残した。

一方、過去をリセットできず守勢に入ってしまい、活躍したメンバーの優遇や忖度をしてしまえば新陳代謝できず、成績がじわじわと落ちてしまう。いわば『成功の呪縛』にとらわれないマネジメントが、組織を勝たせ続けるためのポイントだろう」

新監督とチームが、どのように成功の呪縛と向き合うのか。黄金期が続くかどうかは、この点に懸かっている。

そして中嶋監督は、もしかすると誰よりもこのことを理解していたのかもしれない。選手に寄り添う、優しい監督である中嶋監督が辞任すれば、選手たちに与えるインパクトはとてつもなく大きいはずだし、結果的に、過去の成功体験もリセットされるだろう。「過去をリセットしろ」と、自身の退任をもって、選手たちに伝えた……今回の事件からは、そんな強いメッセージが感じられる。

来期、オリックス・バファローズはどんな順位になるのか? ひょっとしたら、また強いバファローズに戻り、「あの時の電撃退任は、最後の“ナカジマジック”だったんだなあ……」と思う日が来るのかもしれない。

鬼頭 勇大:フリーライター・編集者

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