Xのブロック仕様変更で高まる「Bluesky」への期待 1000万人のユーザーが求めた自由なSNSの広場
東洋経済オンライン / 2024年10月30日 10時40分
2022年10月、イーロン・マスク氏によるTwitter(現:X)買収以降、かつての「インターネットの広場」は激動の時代を迎えている。大規模な人員削減、突然の機能変更、そして物議を醸す政策転換。これらの混乱は、多くのユーザーに不安と不満をもたらした。広告収入の激減や企業価値の下落など、経営面でも課題が山積みとなっている。
【写真で見る】Bluesky Meetupに登壇したジェイ・グレーバー氏(右上)とジェレミー・ジェンソン氏
この不安定な状況下で、新たなSNSプラットフォームが静かに、しかし着実に台頭してきた。それが「Bluesky(ブルースカイ)」だ。
Bluesky誕生から急成長まで
皮肉にもBlueskyの起源はTwitter自身にある。2019年、当時のTwitter社長ジャック・ドーシー氏が立ち上げたプロジェクトが、マスク買収後に独立。「誰もが自分のSNS体験を自由にコントロールできる世界」を目指し、分散型のプラットフォームとして生まれ変わったのだ。
Blueskyは2024年に入り、急速な成長を遂げた。2月の一般公開後、日本で約1週間で約36万件のアプリダウンロードを記録した。招待制だった約1年間のダウンロード数が77万件だったのに対して、極めて短期間で半数近くの新規ユーザーを獲得したことになる。
招待制廃止後の拡大には、有名クリエイターの参加も大きな役割を果たした。Xで100万人以上のフォロワーを持つ人気漫画家「ナガノ」氏が、Blueskyの一般公開直後にアカウントを開設したことで、多くのファンがBlueskyに流入。ナガノ氏はBluesky で6番目にフォロワーが多いアカウントとなっている。また、人気漫画の「葬送のフリーレン」も一般公開にあわせて公式アカウントを開設している。
8月にはブラジルの最高裁判所がXに対してサービスの停止を命じるという事態が発生し、ブラジルのXユーザーが大量にBlueskyへ移行。9月17日には、ユーザー数が1000万人を突破するという驚異的な成長を遂げた。
さらに10月、Xがブロック機能の仕様を変更すると発表した翌日の10月18日、Blueskyは2日で120万人の新規ユーザーを獲得したとアナウンスした。同時期、Xの「AI学習にユーザー投稿を活用できる」という規約もネガティブな話題となり、多くのクリエイターがBlueskyにアカウントを開設したようだ。
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