1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

Xのブロック仕様変更で高まる「Bluesky」への期待 1000万人のユーザーが求めた自由なSNSの広場

東洋経済オンライン / 2024年10月30日 10時40分

その一例が、靴下専門ブランドのタビオだ。タビオは、Blueskyの一般公開と同時にアカウントを開設し、その日のうちにカスタムフィードも実装するなど、新しいプラットフォームに対して積極的な姿勢を見せている。

タビオのSNS担当者によると、Blueskyアカウント開設の主な目的は「会社の姿勢」や「商品」について知ってもらうことだという。同社は「できる限りのプラットフォームを活用したい」という方針のもと、一般ユーザーへの解放を機にBlueskyの使用を開始した。

タビオは、Blueskyのユーザーについて「“目立つために発信する”という意識が低い傾向にある」と評価している。むしろ、そうした姿勢に疲れた人々が多く集まっているという印象だ。バズることを意識しないでいいという共通認識が、投稿する側と見る側の両方に存在していることが、現時点でのBlueskyの大きな特徴だと捉えている。

この特徴は、企業のPRという観点からは一見デメリットに思えるかもしれない。しかし、タビオはこれを逆手に取った見方をしている。タイムラインが「無数のノイズで占められない」ため、逆に企業のメッセージがより伝わりやすくなる可能性があるというのだ。

タビオは今後のBlueskyの活用について、「長くお付き合いできるユーザー様とつながること」を期待している。同社は、現在の企業SNSの役割において「目立つ」ことよりも「信頼できる姿勢」を示すことが重要だと考えており、その姿勢を感じてもらうための取り組みに注力する意向だ。

しかし、タビオのような先進的な事例はまだ少数派だ。多くの企業は、Blueskyの将来性を見極めている段階にあり、本格的な活用にはまだ踏み切っていない。ユーザー数の増加や機能の充実、さらにはマーケティング効果の実証などが進めば、今後より多くの企業がBlueskyに参入する可能性がある。

Blueskyが企業にとって魅力的なプラットフォームとなるかどうかは、ユーザーとの新しい関係性の構築や、従来のSNSとは異なる形での情報発信が可能になるかどうかにかかっている。タビオの事例は、そうした可能性を示す先駆的な取り組みと言えるだろう。

ユーザー主導のソーシャルメディア

Bluesky PBCのCEOであるジェイ・グレーバー氏は、Blueskyの目標について次のように語っている。「Blueskyの最終目標は、誰もが自分たちの体験を自分自身で制御できるようになることだ。特定の人たちが強大な力を持つことは望ましくない」。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください