Xのブロック仕様変更で高まる「Bluesky」への期待 1000万人のユーザーが求めた自由なSNSの広場
東洋経済オンライン / 2024年10月30日 10時40分
Blueskyの最大の特徴は、ユーザーが自由にタイムラインをカスタマイズできる「カスタムフィード」機能だ。この機能が多くのユーザーをBlueskyに惹きつけている要因の1つとなっている。
カスタムフィードは、従来のSNSにおけるリストやハッシュタグとは異なり、より柔軟な情報収集を可能にする。ユーザーは特定のキーワード、言語、画像の有無などの条件を組み合わせて、自分だけの独自のフィードを作成できる。言い換えると、話題や興味関心を中心とした情報の流れを作り出すことができるのだ。
フィードの種類は実に多様だ。特定のアニメや動物に特化したフィードなど、ニッチな話題に焦点を当てたものも数多く存在する。さらに、プログラミング知識のある開発者なら、Twitterの「おすすめ」のようにユーザーの好みを学習するフィードを作ることも可能だ。これらのフィードは、Blueskyの投稿全体をさまざまな角度から切り取り、並列に存在する複合的なタイムライン群を形成している。
2024年4月時点で、約4万種類ものカスタムフィードが存在している。この数字は、ユーザーの創造性とBlueskyのプラットフォームの柔軟性を示す1つの指標と言えるだろう。
フィードの作成は、技術に詳しくないユーザーでも行えるよう設計されている。SkyFeedなどの外部ツールを使えば、簡単な操作でフィードを作れる。一方で開発者向けにはAPIも提供されており、より高度なカスタマイズも可能だ。この二段構えのアプローチにより、幅広いユーザーがそれぞれのスキルレベルに応じてフィード作成に参加できる環境が整っている。
カスタムフィードの特徴的な点は、その公開性にある。作成したフィードは原則として公開され、ほかのユーザーもそれをフォローできる。さらに気に入ったフィードには「いいね」もできる。この仕組みにより、ユーザー間で興味深いフィードを共有し、新たな発見や交流が生まれやすい環境が整っている。
カスタムフィードを通じて見えるBlueskyの世界は、大手SNSとは一線を画す特徴がある。公式アカウントやインフルエンサーが比較的少なく、アルゴリズムによる推奨も控えめなため、ユーザーの素直な感想や日常の一コマが中心となっている。これにより、情報収集だけでなく、人々の興味や好みを通じたつながりを感じられる場となっているのだ。
AT Protocolと開発者の貢献
Blueskyの柔軟で多様なカスタムフィードを可能にしているのが、その根幹を成す分散型SNSの技術、AT Protocol(Authenticated Transfer Protocol)だ。AT Protocolは、従来のSNSとは異なる「分散型」という特徴を持つ。
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