Xのブロック仕様変更で高まる「Bluesky」への期待 1000万人のユーザーが求めた自由なSNSの広場
東洋経済オンライン / 2024年10月30日 10時40分
分散型SNSとは、簡単に言えば「1つの会社が全てを管理するのではなく、多くの人や組織が協力して運営する」システムだ。AT Protocolの最大の特徴は、ユーザーデータを特定のプラットフォームから独立させることだ。ユーザーは自分のデータを自分で選んだサーバーに保存でき、万が一サービスが終了しても、データは失われない。さらに、異なるアプリケーション間でのデータの共有も可能になる。
この分散型の特性が、先に述べたカスタムフィードの多様性と柔軟性を支えている。ユーザーや開発者が自由にデータにアクセスし、独自の方法で情報を整理・表示できるため、4万種類を超えるカスタムフィードが生まれた。
AT Protocolの開放性と柔軟性は、世界中の開発者たちの創造力を引き出している。特に日本の開発者によるサードパーティーアプリケーションの開発が活発だ。Bluesky PBCのジェイ・グレーバーCEOは「日本の開発者たちの取り組みに感銘を受けている」と言及するほどだ。グレーバー氏によると、日本の開発者たちは独自のクライアントやAndroidアプリを構築し、AT Protocolに接続するためのさまざまなバージョンのアプリケーションを作成しているという。
日本の開発者たちの活動は、Blueskyの分散型アーキテクチャの可能性を実証する具体例となっている。彼らの貢献により、プラットフォームの多様性が増し、特に日本のユーザーにとって使いやすいサービスが次々と登場した。
これは2010年代前後にTwitterが急成長していたころのエコシステムと似ている。その後Twitterは開発者向けのAPIを遮断してエコシステムは途絶えたが、分散型SNSであるBlueskyの場合は同じ轍を踏まないだろう。
BlueskyのAT Protocolは、誰でも自由にアプリやツールを開発できる仕組みを提供している。これは2010年代初頭のTwitterのように、開発者が自由に創意工夫を凝らせる環境だ。日本の開発者たちも独自のアプリを次々と生み出しており、Blueskyをより便利で多様なプラットフォームにしている。 TwitterはXに生まれ変わり、外部開発者による開発を制限するようになったが、Blueskyは分散型の仕組みを採用することで、誰もが参加できるオープンな環境を守れる。そこがXとの違いだ。
無数のノイズで占められない
Blueskyは個人ユーザーを中心に急速に成長を遂げているが、企業の公式アカウントはまだ少ない。しかし、先進的な企業の中には、このプラットフォームの可能性に着目し、積極的に活用を始めているところもある。
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