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東京に「座るにも金が要る街」が増えた本質理由 疲れてもカフェに入れず途方に暮れるあなたへ

東洋経済オンライン / 2024年11月6日 8時30分

カフェが混みすぎていて、なかなか座れない街・渋谷。「座るにも金が要る街」になりつつある背景には、様々な理由が複雑に絡み合っていると筆者は指摘します(筆者撮影)

渋谷を歩いている時、「疲れたな」と感じてちょっと一休みできるところを探した。でも、カフェはどこも混んでいてすぐには入れないし、街中にベンチも少ない。あっても、なんだか座りにくい。パルコへ向かう渋谷公園通りには不思議な形状のベンチがあるけれど、ガードレールみたいで座りにくい。実際、そこに腰掛けているのはインバウンド観光客ばかりで……。

【画像9枚】渋谷近辺で約20軒もあるスタバと、排除アートやいじわるベンチの様子

これは筆者の体験だが、似た経験をした人は少なくないだろう。そう、今の渋谷は、気軽に座れるところが少ないのだ。

そんな「疲れる街」に渋谷がなっているのは、都市の構造から見た理由がある。

渋谷が座りづらい街になったのはなぜ?

結論から言うと、渋谷が座りづらい街になったのには、次の3点があげられるだろう。

① 再開発の進展
② 防犯意識の高まり
③ 日本人の意識の変化

順に説明していこう。

【画像9枚】「カフェが混みすぎて座れない」「いじわるベンチを使うのは訪日客ばかり」…東京に「座るにも金が要る街」が増えた本質的な理由とは?

① 再開発の進展

渋谷の変化でもっとも顕著なのが、現在進行している「100年に1度」といわれる大規模再開発。東急グループが中心となり渋谷駅周辺を整理し、さまざまな商業施設やビルを建設している。「渋谷っていつ行っても工事してる」と思う人も多いだろうが、それはこの再開発ゆえでもある。

渋谷はもともと若い人々の流行の発信地として有名で、「若者の街」だった。そのこともあって、特にIT分野を中心とするベンチャー企業なども集まってくる。それと共に、外国人観光客にとっても魅力的なエリアになってくる。

今回の再開発では、そうした渋谷に集まるオフィスワーカーやインバウンド観光客のために街が再編されている。新しくできたビルのほとんどにはオフィスが入っているし、インバウンド向けのホテルも建設中だ。

そしてオフィスワーカーやインバウンド観光客は、若者よりも相対的にお金を持っている。だから、彼らをターゲットにして街にすると、必然的に街全体の商品やサービスの値段が上がってくる。現にそこに生まれる商業施設などのテナントの多くは、少しお高めだ。

ジェントリフィケーションが「座れない」街を作る?

こうした都市の高級化を、ジェントリフィケーションという。元は、1960年代にイギリスの社会学者であるルース・グラスが提唱した言葉だが、現在では日本に限らず、世界の各都市で問題となっている現象だ。

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