セブン「上げ底疑惑」で思い出す"最強のコンビニ" 徹底的にファンに向き合う「セコマ」の凄さ
東洋経済オンライン / 2024年11月16日 8時30分
2024年8月決算において、コンビニ大手三社の中で唯一減益になったセブン・イレブン。減益の直接の原因ではないものの、この報道に端を発して、かねて指摘されていた「上げ底弁当」などのステルス値上げ(疑惑)が炎上のタネになっている。
文春オンラインが永松社長に突撃取材をした際、「本当に上げ底ですか?」などと記者に問いただした対応も火に油を注いでしまった。
関連記事:セブンの「上げ底弁当?」が今また"猛烈批判"の訳 値上げによる客離れを恐れ、ファン離れが発生か
一般論として、こうしたステルス値上げはネット上ではよく話題になるが、“直接的な値上げを回避する、企業の工夫“とも考えることができ、企業側も消費者を騙そうなどとは思っていない(はずだ)。セブンの場合もおそらくそうなのだろうが(そうだと信じたいが)、企業と消費者のコミュニケーションの難しさを再確認する事例となった。
実は、セブンが現在直面している問題はさまざまなビジネスで重要な問題だ。それが、「ファン」とどう向き合うか、ということである。
グレイトフル・デッドとセイコーマートにマーケティングを学ぶ?
ファン、という言葉を唐突に出したが、これは以前、私がセブンについて書いたときに引用した『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』に出てくる言葉だ。
【画像25枚】「カツが厚く、大きいカツ丼」「パスタは税込み138円」…。北海道が誇る最強コンビニ「セコマ」。ファンマーケティングの観点から分析してみると…
同書では、グレイトフル・デッドというアメリカの伝説的なバンドの活動をもとに、ファンマーケティングの重要性や方法論が書かれている。
この中に「ファンのために最前列を空ける」というものがある。顧客の開拓をする前に熱狂的なファンのためにライブの席を空ける、つまり「ファンファースト」の重要性が説かれているのだ。
私の記事では、セブンが「ファン」を重視できなかったのではないか、と書いたのだが、これに対する反応で面白いものがあった。「コンビニ業界なら、セイコーマートがグレイトフル・デッド的ではないか?」という指摘だ。
セイコーマートは北海道を中心に店舗を拡大しているコンビニで、全国に1191店を構える。うち、1093店は北海道にあり、道民にフォーカスを当てている。
そんなローカルチェーンともいえるセイコーマートだが、一体どこがグレイトフル・デッド的なのか。実際に行って確かめてみた。
セイコーマートに行ってみた
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