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セブン「上げ底疑惑」で思い出す"最強のコンビニ" 徹底的にファンに向き合う「セコマ」の凄さ

東洋経済オンライン / 2024年11月16日 8時30分

ちなみに、セイコーマート全商品の売上高1位がこのホット・シェフの「カツ丼」なのだという。

私もこのカツ丼を食べてみた。

さすが、店内調理でアツアツのまま陳列されていることもあって、かなり温かい。蓋を開けると、本当に作りたてのよう。さらにすごいのはその量。カツが厚く、大きい。コンビニのお弁当で「食べきれない!」となることはほとんどないのだが、このカツ丼については、かなりお腹いっぱいになった。

このほかにも、私が訪れたときには北海道産ホタテのカレーなどもあり、たくさんの商品が陳列されていた。

「食のインフラ」すぎるセイコーマート

ホットシェフに限らずだが、こうした惣菜の総合的な満足度は、他の惣菜でも徹底されている。

例えば、カツサンド。これ、まるまる2枚分のトーストが使われている。手に持っただけで「でか……」と驚嘆の声を漏らしてしまった。

一方で、量が多いものだけではない。小さめのお弁当もある。例えば、パスタなどは気持ち小さめのプラスチック皿に入っているが、そのぶん値段が「138円」。サイゼリヤもびっくりだ。

かつて北海道に住んでいる女性と話した際に、「セイコーマートの小さな惣菜は、安くて量がちょうどいい」と言っていたのを思い出した。

また、店内に多いのがプライベートブランド商品。飲料から食品にわたり、店内のありとあらゆるところにPBがある。一般にPBは安く商品を提供できることが売りだが、セイコーマートでも同様。というか、一般的なPBよりもさらにお値段が安い。

例えば、サイダーは92円。通常の飲料メーカーから出ているサイダーが100円台後半することを思えば、非常に安い。

地産地消のPB商品も魅力的すぎる…

また、安さだけでなく、その素材においても道産素材を用いたものが多くみられるのも特徴で、地産地消的な色彩が強い。

地産地消で有名なのが、PBの牛乳だろう。

セイコーマートはこうしたPB商品を製造するグループ会社を、M&Aを通して多く所有しており、実質的に自社工場にてこれらの商品を生産している。

一般的なPBブランドは外部の向上に委託することが普通だが、自社工場での製造により価格を安く抑え、さらには地場の食材を使うことができるのだ。この光景はほとんど「製造小売業」のような姿さえ持っている。

これらの政策が功を奏しているのか、流通経済研究所主任研究員(当時)の池田満寿次は「お気に入りのセイコーマートのPB商品がある」人が22%に上ることを指摘し、セイコーマートは他のコンビニよりもPBブランドの訴求力が高いという(「有力コンビニ『セイコーマート』に見るPB戦略――PBが担う役割と、消費財流通への示唆」)。まさに「ファン」を根強く作り、彼らを満足させているのだ。

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