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半導体のラピダスはこのままでは99.7%失敗する 成功するためにはいったい何をすればいいのか

東洋経済オンライン / 2024年11月16日 8時30分

第2に、民間にはとれない大きなリスクが、政府ならとれること。同様に、第3に、民間では調達できない多額の資金を投入できること。そして、第4に、国家と民間では、タイムスパンが違う。国家は、まれに超長期的なヴィジョンで行動できるからだ。国家百年の計、というやつである。

21世紀に、これらの第1から第3の理由が成立しなくなったことは明白である。第2と第3は、誰も反論しないだろう。

もし儲かる見込みが立てば、4兆円ぐらいすぐに集まる。そもそも、アメリカの「マグニフィセントセブン」などでみると、エヌビディアの時価総額だけで約550兆円の規模があり、10兆円程度など、有望なプロジェクトならば、どうにでもなるし、リスクだってとれる。そして、21世紀の政府は、リスクはまったく取れなくなった。リスクをとった場合は、アリバイ作りばかりしている。絶望的だ。

第1の理由も、残念ながら明白だ。人材は民間に集まる。日本の伝統的大企業でも危ういのに、政府に集まることは絶望的だ。

最後の望みは、大局や未来が見える人材は、民間企業とは別のところにいて、政府のアドバイザーになるということかもしれない。しかし、こんな夢をいまだに抱いているのは、過ぎ去った20世紀に住み続けている人々だけだ。そのような古きよき時代は終わった。

さらに、いかに優れていても、そして、その人が万一、政府に加わったとしても、スピード感と行動パターンの違う政府の活動に巻き込まれた瞬間から、民間人としての能力は劣化していく。例えば、アメリカのテスラのCEO(最高経営責任者)であるイーロン・マスク氏が、これまでどんなに優れていたとしても、余計な活動と意欲が生まれてきた現在、トランプ次期政権にかかわることで、さらに劣化していくだろう。

しかし、もっと重要なことに、大局や未来ヴィジョンを描ける人は、21世紀の現在、この世に存在しなくなってしまったのだ。地球上にはいないのだ(そして宇宙にもいない)。

21世紀に未来を見通すのは原理的に無理

なぜなら、21世紀とは、多様性の時代、つまり混沌とした時代。そして、不透明な時代、かつ変化の激しい時代。この状況で、未来を見通そうとするのは、占い師だけだ。原理的に無理なのだ。

前述のファウンドリーの話でも触れたように、だからこそ、戦略転換して、垂直統合しなくなったのだ。プラットフォームビジネスという、他人にリスクとコストと努力を押し付けて、ある程度の変化、激しい競争から一歩離れて、儲けだけ独占しようという手法が主流になったのだ。そして、この地位を占めようと激しい競争が行われ、結局、プラットフォームの運命も結局危うくなるのだが、とりあえず、まずプラットフォームをとってから、その先は考えるのである。

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