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半導体のラピダスはこのままでは99.7%失敗する 成功するためにはいったい何をすればいいのか

東洋経済オンライン / 2024年11月16日 8時30分

就職先も、コンサルティングや投資銀行と、勝ち組をクライアントとし、それに寄生し、寄生先を次々乗り換えていく職業が、人気があるのである。古い企業で勝ち残っているのが商社とリクルートと広告代理店であるのも必然だが、広告は違う戦いになってきたから、もはや危うい。商業銀行もかつては同様にして生き残ってきたが、もはやだいぶ前から危うくなってきている。

じゃあ、製造業はなくなってしまうのか? 残っているのは、部品メーカー、ファウンドリー、そしてトヨタである。不透明、不確実であるから、長期投資は不可能なので、投資回収期間は2年、せいぜい3年である。個人ラーメン店の業界では常識だが、すべての業界で同じになったのが21世紀である。

「えっ、大規模設備投資を2~3年で回収するなんて、不可能では?」と思うだろう。だから、世界をすべて押さえるのである。回収期間を短くするためには、世界市場を独占するしかない。規模も最大にし、交渉力も上げて利益率を上げるのである。だから、ファウンドリーは同じ業界では、世界で1~2社しか存続できないのである。日本企業はそれに気づかず、勇敢に(無謀に)長期的視点で、設備投資をする。原理的に回収できない。必ず失敗する。

最後の最後に提言をしよう。ラピダスはどうすればいいか。これまでの議論で明瞭であろう。研究、開発、製造、この3つのうち1つに絞る。製造なら、世界すべての半導体を作るプラットフォーム、インフラにならないといけない。しかし、台湾のTSMCと両立し得ない。勝てそうにもない。

ラピダスは、研究に特化すべき

だから、研究か開発に絞る。いちばんいいのは、研究に絞ることだ。これは、リスクは高い。勝ち組になる確率は低いうえに、ベストを尽くしても確率を少し上げる程度しかできない。運に大部分を頼ることになる。

しかし、これでやるしかない。メリットは比較的少額で済むことだ。これを競馬の馬券戦略にたとえると、単勝3倍に全財産をかけるような人がギャンブル中毒であり、破綻するのだが(日本企業はギャンブル中毒だったのだ)、そうではなく、私が前述したような推奨戦略を実行するのである。

つまり、5つのレースの勝ち馬をすべて当てる「win5」で大金を狙うが、できる分析はしつくして、他の人はほとんど買わないが、可能性がそれなりにある馬を選んで、点数を絞って、1万円程度の賭け金で4億円の賞金を狙いすますのと同じだ。これは賭ける価値のあるギャンブルであり、かつ破綻もしない。

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