「会社、辞めたい」の原因は4つの深層心理にあった 「離職防止」喫緊の課題になった時代の基礎知識
東洋経済オンライン / 2024年11月18日 12時0分
「料理人である以上、若手には指導しなければならないし、そうでないと人は育たない。なのに最近は、間違いを指摘しただけでパワハラ扱いされるし、パワハラだと受け取るような子は簡単に辞めてしまう。もちろん厳しければいいわけじゃないけど、こんな状況が続くなら優秀な料理人は絶対に減っていくよ」
【書籍】「離職の理由と対策が体系化されている」「事例が豊富で明日から使える」と話題の『離職防止の教科書』
先日、フランス料理店を経営する知り合いのオーナーシェフから、こんな話を聞いた。彼は決してパワハラをするようなタイプではなく、むしろ人柄は穏やかだ。しかし、そんな人間でさえ部下の扱い方に悩まざるを得ないほど、昨今の若手の扱い方は難しいのだろう。
「離職防止」が企業の喫緊の課題となった
もちろんそれは一例にすぎないが、そんな話を聞いた矢先だったからこそ、『離職防止の教科書――いま部下が辞めたらヤバいかも…と一度でも思ったら読む 人手不足対策の決定版』(藤田耕司 著、東洋経済新報社)の著者の指摘にも納得してしまったのだった。
人手不足対策は、採用強化、業務効率化、離職防止が挙げられますが、昨今は人材獲得競争が激化し、優れた人材の採用は困難を極め、また、離職率が高い会社では採用を強化しても、穴が空いたバケツのように離職者がさらに増えていきます。
業務効率化も、抜けた人の穴を埋めるほどの効率化は決して簡単ではありません。
そのため、人手不足の会社では、離職防止が喫緊の課題となっています。
(「はじめに」より)
その一方、メディアは転職関連の情報であふれ、人材紹介会社からもメールが届くなど、若手に転職の誘惑は多い。しかも転職に失敗したとしても、退職代行会社に依頼すればストレスなく簡単に辞めることができる。
つまり現代の上司には、そんな状況下にある部下の離職を防ぎ、かつ一人前に育て、ひいては会社の成長につなげることが求められているのである。
にもかかわらず、上記の知人の例にもあるような部下の反応に戸惑う上司も決して少なくはない。
だからこそ上司はそういった状況に対応するために、「離職の心理」を理解する必要があるのだと著者はいう。
なぜなら当然のことながら、それぞれの離職の背景には必ず、“離職を決意させた心理的要因”があるからだ。
ちなみにその主張は、確固たるバックグラウンドに基づくものである。
私は経営心理士、公認会計士、税理士として心理と数字の両面から経営改善をする仕事をしています。その経験から人間心理に基づいた経営を行う経営心理学を体系化し、その内容をもとにこれまで1200件超の経営改善を行い、離職対策についても指導してきました。
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