1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

時代錯誤と逆風も「ミスキャン」なぜ開催される? 不祥事多発やルッキズム批判も「学祭から消えない理由」

東洋経済オンライン / 2024年11月19日 9時0分

結果的に、“正しさ”よりも、それでも美女が選ばれる姿をみたいという“本音”のほうが、優勢を保っているのが現実だ。

かつての「シンデレラストーリー」

しかし、その現実――ミスキャンパスコンテストの盛り上がり自体も、ひとつの大きな曲がり角を迎えている。簡単に説明すると、盛り上がりの大きな要因となったネット社会との融合が、ここにきて逆に首を絞め始めたというのがその理由だが、もう少し詳しく説明することにしよう。

そもそもミスキャンパスコンテストとは“女子大生という素人からプロになりうる人を発掘する試み”である。

芸能事務所の目も届かず、いち大学の中で埋もれるかもしれなかった素人の美女を、広告研究会という現役の学生が発掘する。コンテストに出場することで、メディアに登場する機会を得て、タレント活動をしたり、女子アナになったりするものも出てくるようになる。

ネットのない時代は、この流れがシンデレラストーリーとして今よりも強く機能したはずだ。その物語を追って楽しむ層も出てくるようになる。

2000年代半ばには候補者に選ばれた時点でブログを開設する流れができはじめ、2010年代半ばにはSNSを開設する流れが主流となった。そうすると、盛り上がりは学内だけではなく、ネット上にも広がっていく。

その流れが一番うまくまわっていたのが、2010年代の半ばで、2015年のミス青山学院コンテストでは、ファイナリストとして出場を表明した山賀琴子に、すぐに数万人のフォロワーがつくという事象が見られた。

「インフルエンサー」を目指す人が多出

これに目をつけたのがスポンサー企業で、ソフトバンクなどの大手企業が各大学のミスキャンパスコンテストに協賛。出場者たちにPR投稿をさせて企業の宣伝に使おうという流れに波及した。

有名大学のミスキャンパスコンテストのファイナリストになれば、ある程度のフォロワー数が見込めるため、出場者の中には女子アナやタレントではなく、インフルエンサーを目指そうとする者も現れるようになっていった。

山賀琴子は、グランプリ受賞後、大手芸能事務所・研音に所属し、女優を目指すことに。ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』にも出演したが、すぐに退所。現在は自分のジュエリーブランドを立ち上げるなど、インフルエンサーとしての影響力を仕事につなげている。

また、2020年の準ミス青山学院の新田さちかも、コンテスト後に所属したホリプロを3年間でやめて、アパレルブランドを立ち上げている。ほかにも、山賀と同じ2015年にミス青学に出場した中村麻美や、2016年度ミス立教の楫真梨子など、インフルエンサーとしてブランドを立ち上げる者が多く、それがひとつのモデルケースとなっている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください