「フロンクス/ヤリスクロス」コンパクトSUV比較 ともに都会的なスタイルだがグレード構成に差
東洋経済オンライン / 2024年11月20日 12時0分
ただし、これに走行用モーターの駆動力が加わるため、よりスムーズな走りを味わえる。なお、走行用モーターのスペックは、フロントモーターが最高出力59kW(80PS)、最大トルク141N・m(14.4kgf-m)。E-Four車に搭載するリアモーターは最高出力3.9kW(5.3PS)、最大トルク52N・m(5.3kgf-m)だ。
ちなみにフロンクスは、トランスミッションにスポーツカーなどにも採用される有段ギア仕様の6速AT(オートマチック・トランスミッション)を採用。MT(マニュアル・トランスミッション)車感覚でギアを任意に変速できるパドルシフトや、リニアなアクセルレスポンスを実現するスポーツモードなどと相まって、スポーティな走りを楽しむことも可能だ。
対するヤリスクロスは、トランスミッションに無段変速オートマチックのCVTを採用。ほぼショックのないスムーズな変速フィールとなる。やや変速ショックを感じることで、逆にスポーツカー的な乗り味を楽しめるのは6速ATを持つフロンクスのほうだろう。
ただし、ヤリスクロスも、ガソリン車のGRスポーツにはパドルシフトを採用。また、トランスミッションには、発進用ギアを追加した「Direct Shift-CVT」を採用するため、低速から高速域まで力強くダイレクトな走りを味わえる。加えて、専用サスペンションなどで車体まわりも強化しているから、こちらもスポーツカー的な特性を味わえることが魅力だ。
なお、サスペンションに関しては、フロンクスも、スポーティな専用チューニングを施しているそうで、コーナリングなどでは高い安定性を実現する。そう考えると、昔からのスポーツカー好きなどには、フロンクスとヤリスクロスのGRスポーツは、かなり競合するモデルになるかもしれない。
4WDシステムについて
加えて、両モデルでは、4WDの性能が充実しているのも特徴だ。まず、フロンクスの4WD車では、路面状況に応じて選択できる走行モードを用意する。雪道での発進などに対応する「スノーモード」、滑りやすい路面でのスリップを防止する「グリップコントロール」、急な下り坂で加速を抑制する「ヒルディセントコントロール」の3モードだ。これらにより、幅広い路面状況や走行シーンで、つねに高い安定性や安心感を提供する。
対するヤリスクロスでは、ガソリン4WD車に、路面に合わせて前輪駆動に近い状態と4輪駆動状態を自動的に電子制御する「ダイナミックトルクコントロール4WD」を採用。また、路面状況に応じ、「MUD&SAND(マッド&サンド)」「NORMAL(ノーマル)」「ROCK&DIRT(ロック&ダート)」といった3つの走行モードを選択できる「マルチテレインセレクト」も用意する。
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