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偏差値40から60まで"乱高下"した中学受験の結末 転塾を経て迎えた受験本番で起きたこと

東洋経済オンライン / 2024年11月24日 7時30分

最後まで“想定外の連続”だった、矢沢こころちゃん(仮名)の中学受験についてお話しします(写真:すとらいぷ/PIXTA)

いよいよ小学校卒業児童の数が減少に転じた。しかし、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県では中学受験を目指す家庭の割合は増えている。

今年中学に入学した子どもの受験割合は、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県では私立と国立の中学だけで18%超(首都圏模試センター調べ)。地方でも、自治体が中高一貫校を設置するケースが増え、中学受験の波は日本全国に広がっている。

中学受験を目指す理由は家庭によってさまざまだ。公立中学の状況に不安や物足りなさを感じて中学受験を選ぶ家庭もあるが、中学受験が身近な首都圏の場合、子どものほうから「受験をしたい」と言い出すこともある。

神奈川県に住む矢沢こころちゃん(仮名)の場合も、受験をしたいと言い出したのは子ども本人だった。しかし、今でこそ穏やかな中学生活を送っているこころちゃんだが、その受験は最後まで“想定外の連続”だった。

中学受験に関心がなかった両親

こころちゃんが中学受験を意識したのは小学校低学年ごろのこと、仲良くしていた近所のお姉さんが、中学受験をしたことがきっかけだった。

「ママ、私も中学受験がしてみたいなぁ」

中学受験がどのようなものかもわからずに、母親のみずほさん(仮名)に無邪気に提案した。

「えぇ~、中学受験?」

中学受験する人がほぼいない地方出身のみずほさんは、娘の言葉に生返事で答えた。父親の和宣さん(仮名)もさほど中学受験に関心がない。矢沢家は両親ともにフルタイムで仕事をしている。親の伴走が必須と言われる中学受験に自ら足を踏み入れることはないだろうと思っていた。

状況が変わったのは、小学3年生の夏休み前。それまで通っていた学童保育に娘が行きたがらなくなったのだ。

このまま学童への行きしぶりが続けば、共働き世帯にとっては死活問題。そんなとき目にとまったのが、「夏期講習無料」というネット広告だった。

娘ももう3年生、勉強の習慣を付けるのに塾に行くのもいいかもしれない。しかもキャンペーン中は無料というなら、お試しで行くのも悪くはない。そして同じころ、こころちゃんも、あるチラシを持ち帰ってきた。

それは偶然にもみずほさんがネットで見ていた塾のものだった。

こうして矢沢家は夏期講習を申し込むことに。講習に通う娘は得意げだった。

「この問題、すごく難しい学校の問題らしいんだけど、私解けちゃった!」

「塾の先生がね、よくできたって褒めてくれるんだ」

「塾の勉強って、学校の勉強と違ってすっごく楽しいんだよ」

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