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偏差値40から60まで"乱高下"した中学受験の結末 転塾を経て迎えた受験本番で起きたこと

東洋経済オンライン / 2024年11月24日 7時30分

「こっちに変わってすごく楽しい!」

こころちゃんのやる気と笑顔が戻ったのだ。転塾してすぐに声をかけてくれた女の子と仲良くなったようで、クラスの雰囲気もすこぶるいいという。少人数クラスのため、講師の目も細かく届く。子どもが質問をしなくても、理解できていないなと講師のほうで判断し、頻繁に声をかけてくれる。次第に偏差値は50台後半で安定し始めた。これならば、受かるかもしれない。親子ともに自信を取り戻していった。

合格発表で迎えた最悪のシナリオ

こうして迎えた受験本番。一度は絶望的と思われた本命、青山学院横浜英和を中心に、4校に出願した。2月1日午前には青山学院横浜英和を受験、午後には偏差値40台前半の学校の特進クラスを受験することにした。

2日目は、田園調布学園の午前入試を選択、午後には2月1日の一度では受からなかったときのことを考えて再び青山学院横浜英和、3日目は午前にカリタス女子中学、午後に3回目の青山学院横浜英和、というスケジュールを組んだ。

成績が安定してきたとはいえ、青山学院横浜英和は安全とは言い切れない。それでも1日午後はこころちゃんの偏差値と比べると10ポイント以上も下の安全校の受験を組み入れたため、合格がもらえると踏んでいた。

2月1日の受験を終えた後、母子はちょっとした安心感に包まれていた。

「今日はよく頑張ったから、帰りに温泉に入って帰ろうか」(母親)

「うん! それ嬉しい! そうしよう」(こころちゃん)

合格発表までは時間があるため、これまでの頑張りをねぎらい、明日からの英気を養うために親子は近くの温泉施設でのんびり過ごして帰宅した。

そしてその日の夜に迎えた、合格発表。青山学院横浜英和はやはり厳しく不合格。ある程度予想はしていたためそれほど焦りも感じなかったという。続いて迎えた午後入試、安全校の合格発表。発表時刻の午後10時、気楽な気持ちでサイトを開いた。ところが、表示されたのは「補欠合格」という文字だった。

「えっ?」

こころちゃんも思わず口を覆ってしまった。模試でも常に合格率80%をキープしていた学校だった。だからこそ、安全校として入れたのだ。驚きを隠せない娘を前に、母親は冷静を装った。

塾の先生にすぐに結果を連絡。相談の結果、2日目午前でもう一度この学校を受験することに決め、急いでネット出願した。

こうして迎えた2日目だったが、なんと2日目入試でも午前、午後ともに不合格。初日に安全校で合格をもらう予定が2日目に入っても1つも合格がもらえていない。

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