ホンダ「CR-V e:FCEV」先進さより際立つ普通さ 水素を使った燃料電池車を感じさせない作り
東洋経済オンライン / 2024年11月29日 8時20分
水素で走るFCEV(燃料電池車)は、最先端の技術を注ぎ込んだ「革新的なクルマ」というイメージもある。だが、本田技研工業(以下、ホンダ)の新型「CR-V e:FCEV(シーアールブイ イーエフシーイーブイ)」を一般公道で試乗してみると、従来のガソリン車やハイブリッド車から乗り換えても、あまり違和感のない「親しみやすいパワー特性」が意外だった。それでいて、電動車らしい「スムーズさ」など、次世代のクルマを感じる先進性も両立。まるで今と未来が調和したような乗り味と、それらを気負わずに堪能できることが好印象だった。
【写真で見る】ホンダの新型「CR-V e:FCEV」のディテール。水素で走る燃料電池車の内外装やパワーユニットなどを詳しく解説(68枚)
では、筆者は、具体的に、どういった点にそうした乗り味を感じたのか。2024年11月中旬、ホンダ主催の公道試乗会に参加し、神奈川県川崎市の湾岸エリア周辺にある幹線道路などで試乗してみた印象を紹介しよう。
【写真】ホンダの新型「CR-V e:FCEV」のディテール。水素で走る燃料電池車の内外装やパワーユニットなどを詳しく解説(68枚)
ホンダの新型SUV、CR-V e:FCEVの概要
2022年に販売終了した5代目以来、久々に日本へ帰ってきたホンダのミドルサイズSUVがCR-V。今回、国内導入されたのは、北米など海外のみで販売する6代目のハイブリッド車をベースに、FCEV(燃料電池車)に仕上げた仕様だ。ご存じのとおり、FCEVとは、水素と酸素の化学反応で発電し、電動モーターで走ることで、実質的に排出ガスをゼロにできるクルマ。その最新モデルとして、2024年7月19日より国内販売を開始しているのがCR-V e:FCEVだ。
主な特徴は、まず、一般的なSUVと同様の居住空間を確保すること。米GM(ゼネラル・モーターズ)と共同開発したパワートレインは、水素で発電する新開発のFC(燃料電池)スタック、モーターギアボックス、エアーコンプレッサーなどを一体化した新型を搭載。ホンダが以前生産していたセダンタイプのFCEV「クラリティ フューエルセル」と比べ、搭載部品の省スペース化などを実現する。
また、高圧水素貯蔵タンクシステムを荷室下に、EV走行を実現する大容量バッテリーを床下へ格納。これらにより、大人5名がゆったり乗れる室内を実現する。とくにセカンドシートは、かなり広い足元スペースを確保。背もたれのリクライニングも可能で、後席の乗員が長距離ドライブでも疲れにくい快適性を持つ。
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