82歳でアプリ開発「米アップルも認めた」驚く思考 何歳からでも"やりたいこと"を見つける「3つの方法」
東洋経済オンライン / 2024年12月21日 11時0分
これから人は100年生きるという。しかし、お金や孤独、健康不安がなく老後を迎えられる人はどれくらいいるだろう。年を取ることが怖いーー。
多くの人が漠然とした不安を抱く中、老後の人生こそ謳歌している人もいる。その元気は、気力は、生きがいは、いったいどのようにして手に入れたのか。本連載では、“後期高齢者”になってなお輝いている先達に、老後をサバイブするヒントを聞く。
今回お話を伺ったのは、81歳から始めたプログラミングでヒットアプリを生み出した、若宮正子さん(89歳)。今夏、『やりたいことの見つけ方 89歳、気ままに独学』(中央公論新社)も上梓した。「何を始めるのにも、遅いなんてことはない」を体現する若宮さんの原動力とは何だろうか。
年寄りのことは年寄りしかわからない
「僕らは、お年寄りがどんなことを面白いと思うのかわからない」
【写真】アップルCEOティム・クックとハグする若宮さん(89歳)と、「斜め上すぎる」ワーキングデスク
今から8年前、若いエンジニアに「高齢者向けのアプリを作ってほしい」とお願いしたとき、返ってきた答えに若宮正子さん(89歳)は、カチンとくるより妙に納得してしまった。
そうか、年寄りのことは年寄りにしかわからないものなんだ――。
そして「プログラミングを教えてあげるから、若宮さんが自分で作ればいいんじゃない」とおだてられて、独学で高齢者向けにiPhone用のゲームアプリ「hinadan(ヒナダン)」を開発してしまった。
すると、それがApple社の目にとまり、若宮さんは「世界開発者会議(Worldwide Developers Conference 2017)」に特別招待され、またたく間に“世界最高齢の女性開発者”としてその名が世界各国に知れ渡る。
【写真を見る】アップルCEOティム・クックとハグする若宮さん(89歳)と「斜め上すぎる」ワーキングデスク
現在、若宮さんは政府の「人生100年時代構想会議」や「デジタル社会構想会議」などの委員を務め、ITエバンジェリスト(伝道者)、デジタルクリエーターとして、シニア世代とデジタル化社会をつなぐために多方面で活躍している。
そんな若宮さんを突き動かすのは、8年前に悟った「年寄りのことは年寄りしかわからない」という思いだ。
「政府が若い人たちのテクノロジーをそのまま年寄りに押し付けちゃうのは、非常に迷惑なんですよ。年寄りはなぜお役所がITだ、デジタルだ、とワーワー言っているのかわからないし、そもそも政府は年寄りが困っていることをわかっていない。だから、私が間に立ってなんとかしなきゃいけないと思いまして。勝手にITエバンジェリストなんて肩書を作って使命感に燃えて、1人で喜んでいる、みたいな現在です」
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