82歳でアプリ開発「米アップルも認めた」驚く思考 何歳からでも"やりたいこと"を見つける「3つの方法」
東洋経済オンライン / 2024年12月21日 11時0分
お茶目に笑う若宮さんだが、年間140回以上の講演をこなしながら、さまざまな会議に出席し、合間に本の執筆もする。Googleカレンダーには時間単位で予定がびっしりだ。
そんな多忙な日々にもかかわらず、プライベートでもやりたいことがありすぎて、時間が足りないという。
「私はすごく自分本位主義なので、人様にご迷惑をかけることは避けますけれど、自分が楽しいこと、やりたいと思ったことは、あまり他人のことは考えないですぐに実行に移してしまうんです」
“やりたいこと”を見つける「3つの方法」
老後を迎えて、やりたいことが見つからない、趣味がないと嘆くシニア世代にしたら、なんともうらやましい日々である。若宮流・やりたいことの見つけかたはいたってシンプル。「自分の気分が上がることをやる」。
そのために3つのアンテナを立てている。
1つは、“自分ができること”と“まわりの人が喜んでくれること”の接点を探してみる。誰かに感謝されたり喜ばれたりしたら、誰だってうれしい。「また、やってみよう」と思ったら、それが「やりたいこと」だ。
「自分が誰かに何かをしてもらって『ありがとう』と言うより、相手さんから『ありがとう』と言われることのほうが、人間は幸せだと思うんです。人に感謝されてうれしいと思う気持ちは、生きる活力につながっていきますね」
若宮さんは講演会の最後に大きな拍手をもらえると、毎回、心からうれしくなる。拍手はありがとうの言葉のかわり。講演会のために朝5時起きして会場入りした日でも、疲れが吹き飛ぶという。
2つめは「自分が欲しいものはなんだろう」と考えること。ゲームアプリも、ここから生まれた。
2007年にスマートフォンが発売されて、新しもの好きの若宮さんも使い始めていたが、シニアのカサつく指先ではスワイプやスライドの操作はやりにくいし、たくさんある機能はちっとも便利ではない。
シニアでも操作がしやすくて、楽しめるゲームアプリがほしい。そして生まれたのが、前述の『hinadan』だった。
スマートフォンの画面上で、日本の伝統文化のひな人形を正しい位地に並べるだけ。シンプルで、若者のゲームのような瞬発力やスピードは必要なく、操作は画面をたたくタップのみ。シニア泣かせのスワイプやスライドは使わない。
「自分に必要なものが世の中になかったら、作っちゃう。そういう道も楽しいと思いますよ。会社の仕事じゃないから、ノルマも納期もありません。予算はご自分で出せる範囲でやりくりしましょう」
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