誰でも「Webライター」になれる時代に生き残る術 人を惹きつける文章を書くために必要なこととは
東洋経済オンライン / 2024年12月26日 11時0分
海外のスラムや東日本大震災、教育現場と、あらゆる現場において独自の視点で精密な取材を続けてきたノンフィクション作家・石井光太氏。今回初めて自身の取材・執筆・企画の方法論を新著『本を書く技術』で明かしている。
誰でもWebライターになれると言われている今の時代、人を惹きつける文章を書くために書き手はどうあるべきなのか、石井氏に聞く(全2回の2回目)。
第1回:『コタツ記事が蔓延するwebメディアに対する苦言』
強みを作り、唯一無二のものを手に入れられるか
――今はWebライターなど、文章を書いて生計を立てたい人にとって、入り口が広がっています。一方で誰でもWebライターになれる時代だからこそ、埋もれないためにはどう動けばいいでしょうか?
第1には、自分の強みをどう作っていくかです。人との差をどこで出せるのかと考えていくと、例えば早く原稿を出せる、インタビューが上手い、特定ジャンルに詳しい、外国語ができるなどいろいろありますよね。そこをきちんと磨いていかなければ、発注する人はいないわけですから。
ただし、そうした強みだけではその人でなければならない決定的な何かにはなりません。医療に詳しい人、モンゴル語を喋れる人、原稿が早い人はほかにもいるわけですから。
第2ステップとしては、他に誰もいない唯一無二のものを手に入れられるかどうかです。その人しかいないのであればそこの分野は独占できるわけですし、本の制作などの声もかかるようになります。
これはノンフィクションの分野の話になりますが、例えば、濱野ちひろさんが動物性愛者について書いた『聖なるズー』が第17回開高健ノンフィクション賞を受賞しました。また、畠山理仁さんは選挙候補者全員に取材しており、いわゆる“泡沫候補”と言われる人たちに話を聞き続けています。
他の誰もがやらない取材をしているからこそ、その人しかできない唯一無二の分野になるわけです。
ライティングは生きざまである
――石井さんはノンフィクションを書くための講座で人に教える機会を持っていらっしゃいますが、書きたい人に向けて教えている中で気づいたことなどはありますか?
一つの視点から見るだけでは人を惹きつける文章にならないということです。
例えば料理を作ると仮定して、和食しか勉強したことがない人は純粋な和食しか作れないかもしれません。しかし中華、イタリアン、インド料理を勉強した人が和食を作るなら、和食の中にほかのどの要素を足したら面白くなるか考えられて、立体的な料理を作れるようになると思うんですね。
この記事に関連するニュース
-
「欲望だらけの世を、言葉でつかまえる」増島拓哉×SHUN(歌人・ホスト・寿司職人)『路、爆ぜる』刊行記念対談
集英社オンライン / 2025年2月1日 12時0分
-
“組織内フリーランス”ではない! 「4時半に起きてルポライターとしての原稿の執筆。10時からは会社の勤務時間」二刀流記者の創作アウトプット術
集英社オンライン / 2025年1月16日 7時0分
-
是枝裕和が“向田邦子の最高傑作”をリメイク 「女は阿修羅だよ」ラストの台詞に込められた“男女の悲哀”
集英社オンライン / 2025年1月12日 16時0分
-
NHK大河に全裸出演で話題、高学歴セクシー女優・藤かんな。“バレエ講師をクビになった”投稿で大炎上、両親には…――仰天ニュース傑作選
日刊SPA! / 2025年1月12日 15時44分
-
小説というかたちでしか表現できない喪失感『冬と瓦礫』砂原浩太朗インタビュー
集英社オンライン / 2025年1月11日 12時0分
ランキング
-
1「横浜駅に頼らない路線」神奈川県ご当地鉄道事情 代表格は「ロマンスカー」でおなじみの大手私鉄
東洋経済オンライン / 2025年2月5日 6時30分
-
2【速報】ホンダとの経営統合が破談 日産が協議“打ち切り”方針を固める ホンダからの「子会社化」提案に反発 幹部「到底受け入れられない」
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年2月5日 15時38分
-
3「一緒にやっていくのは難しい」ホンダと日産の経営統合“破談”が現実味 ホンダは日産の「子会社化」を打診も日産幹部「受け入れられない」と反発
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年2月5日 11時51分
-
4ホンダ・日産の株価急上昇、需給巡る思惑先行 破談報道でも
ロイター / 2025年2月5日 10時39分
-
5やりすぎやん、スシロー! 鶴瓶のCM“抹消”は危機管理的にアリかナシか?
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年2月5日 6時10分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください