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国家を束ねる「正統性」を失った各国指導者たち 4分の1が過ぎる21世紀、国家を束ねる指導者が消えた

東洋経済オンライン / 2024年12月28日 8時0分

21世紀も四半世紀が過ぎる。世界秩序の歯車がきしみはじめ、国民を統合できない指導者が右往左往している(写真・y.uemura/PIXTA)

21世紀もほぼ四半世紀(25年)が終わる。次の四半世紀はどうなるのだろうか。

先進国は、軒並み財政赤字で苦しんでいる。人口減と市場の閉塞、新しい製品の不足などにより、経済成長が停滞しているからだ。

アメリカなど先進国の凋落

第2次世界大戦後破壊された日本を含む先進国に出現したのは、高度成長と高福祉社会であった。戦後に生まれたベビー・ブーマーが作り上げたピラミッド型の人口体系は、現在の平等型の年金システムをつくりあげるその基礎となった。

さらには、電機製品や自動車といった耐久消費財の生産とその需要が経済成長を牽引し、作れば売れるという時代が生まれた。その先頭を走ったのがアメリカだった。

日本もそのアメリカ社会を追随し、高度経済成長と豊かさの夢を実現しようと努めた。大方1980年代にはその夢がかない「一億総中流」という夢が実現されたかに見えたところでバブルが生まれ、そしてはじけ、一気に今にいたる失われた35年の時代がやってくる。

昭和20年代生まれの私は、ほぼこの戦後を生き抜いてきた世代だが、ベビー・ブーマーとして経済成長の利益をたっぷり味わった世代だ。そうした世代が今、大量に年金生活者となりつつある。

これは日本だけの現象ではなく、先進国は、すべからく少子化と老齢人口の負担で苦しむ時代となったのである。

当然ながら人口の逆ピラミッド型構成は、若年人口にしわ寄せがいく。就労人口の減少は生産力の低下を導き、税の減少を生み出す。年金年齢の引き上げや、年金受給額の減額問題は、先進国共通の問題になっている。

こうした問題をより複雑にしているのは、これまで優位であった経済が、追いついてくる後進諸国によって次第に駆逐されつつあることである。

南北問題=東西問題

一般にこの問題は南北問題といわれるが、私は東西問題だと考えている。西欧とアフリカ、南米を見れば南北だが、地球全体の布置を見れば、西欧と非西欧との東西問題だといえる。

浩瀚な書物『地中海と人間』(高山博監訳、藤原書店、2021年)を書いた、ケンブリッジ大学名誉教授のデイヴィド・アブラフィア(1949年~)は、その中でイギリスの小説家、詩人のラドヤード・キップリング(1865~1936年)の言葉を引用してこう述べている。

「東は東、西は西、二つはけっして交わらぬ」(751ページ)と。

なるほど、東西の間には橋のない川が流れているということである。しかし、東とはどこを指し、西とはどこを指すのか。当然東西という言い方にこだわったのは西欧であるから、西欧が西であるということは一目瞭然だが、では西欧とはどこまでを指すのだろうか。

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