個人投資家が語る「インデックスファンド」超入門 インデックスファンドの強み、投資への考え方
東洋経済オンライン / 2024年12月29日 12時0分
投資で犯した最大のミスは何かとよく聞かれるが、それはインデックス型の投資を始めるのが遅すぎたことである。投資を始めて最初の10年間は、その存在すら知らなかった。
しかし、もし知っていたとしても、それを受け入れるほど私は賢明ではなかっただろう。どうしてそう思うかって? インデックスファンドという概念については、1985年に友人のアナリストから聞いていたのだが、そこに光を見いだすまで、さらに15年かかったのだ。
自分の古いやり方を守るために、私は思いつく限りの議論を展開した。実際、今日耳にするインデックスファンドへの反対の声は、自分の頭の中に響く自分自身の声なのである。
あの失われた年月を思い出すのはつらい。ときどき夜にこう考える。たいていは一人寂しく、冷たく暗い雨が窓を叩く部屋で憂うつな気分に浸りたいときだ。投資計算機にログインして、あれこれ調べたり考えたりする。
もっと早くインデックスファンドを受け入れる賢さがあれば、今ごろどれだけ先に進んでいただろう、「道」を進むのがどれだけ簡単だっただろう、と。
貯蓄率は「経済的自立へのシンプルな道」を歩むあなたの旅の原動力となる。しかし、それは目的を達成するための手段だ。貯蓄があるおかげで収入の一部を投資に回すことができ、やがてこの投資があなたのためにお金を稼いでくれる。
そのお金にできる限り頑張ってもらいたいなら、賢く長期的に資金を投入する方法を学ぶ必要がある。そのお金がもたらす稼ぎで生活できる状態になれば、経済的自立を達成したことになる。
ジャック・ボーグルがインデックスファンドを世に送り出す前は、投資をしたければ自分で個別の株式や債券を選んで買うか、それらをアクティブ運用のミューチュアルファンドを通じて買うかのどちらかだった。それには高額な手数料や報酬を請求され、それ自体が運用実績を左右する足かせとなっていた。
ボーグル氏は、個別銘柄選びや、それを生業にする人が運用するミューチュアルファンドの成果が、市場全体の平均リターンを上回ることはほとんどないと指摘した。これはその後も数十年にわたる調査で繰り返し証明されている。このことから、単純にインデックス全体を購入するファンドが投資家にとっては最適だとボーグル氏は考えた。
数え切れないほどのインデックスファンド
料金の高い運用会社や高額な手数料が不要になるというメリットは、「ケーキにかけるアイシング(砂糖衣)」、つまり、付加的なものだった。このアイシングというおまけは、投資会社ではなく個人の投資家を潤したのだが、しかしまあ、ここでは、ボーグル氏のこのアイデアについての話はもう十分だろう。
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