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個人投資家が語る「インデックスファンド」超入門 インデックスファンドの強み、投資への考え方

東洋経済オンライン / 2024年12月29日 12時0分

10 アクティブファンドは、インデックスファンドよりめったに成績が上回らないのに、その運用努力には多くの費用がかかる。ファンドのマネージャーは非常に高給取りで、形勢を逆転させようとアナリスト軍団を抱えている。しかし、ジャック・ボーグルがかつて言ったように、「ファンドの成績は上下するが、費用は永遠につきまとう」のだ。インデックスファンドはアクティブファンドを上回る傾向があるだけでなく、手数料に足を引っ張られることもない。そのお金はあなたの懐に残る。

金融危機のように理解できない事態も

というわけで、インデックスファンドのほうが強力で、間違いなくずっと簡単なのだ。いや、話がうますぎるのでは? 投資みたいなものは難しいはずじゃないか?

そんなことはない。複雑な部分は、あなたからお金を引き離すためだけに存在するのだ。ウォール街が投資を複雑にしているのは、そのほうが彼らの言葉に私たちが耳を傾けやすいからだ。彼らは言う。「そんなことで頭を悩ませなくていいですよ。われわれはこういうことに精通していますから。手数料を払ってくれれば、あとはお任せください」。

しかし、2008年から2009年の金融危機の際に見られたように、時として彼らは自分たちも理解できないような事態をつくり出す。それだけでも十分問題だが、もしそんな彼らがあなたには必要だと言われたら最悪だ。でも、そうではない。

実は、成功する投資というのはシンプルさの極みなのだ。インデックスファンドは簡単で強力かもしれないが、スムーズな道のりは期待しないことだ。株価は変動する。一定の期間で見た場合、そのうちせいぜい75%の期間は上昇するが、逆に言えば、少なくとも25%の期間はうれしくない動きをするということだ。

最近では市場が急落しても私は気にしない。しかし、ずっとそうだったわけではない。

1987年10月19日月曜日、私は普段どおり出勤した。忙しい一日だった。その日の終わりごろ、私はストックブローカーのウェインに電話することにした。ただ久しぶりだなと思ったからだった。電話に出た彼は慌てた様子だった。

「調子はどう?」と私は明るく言った。

「おい、本気で言ってるのか?」。彼の声は沈んでいた。「人生最悪の日だよ。怒鳴り散らす顧客から、ひっきりなしに電話がかかってくる」。

「ブラックマンデー」と呼ばれる運命となったこの日に、市場は22.6%下落した。たったの一日でだ。一日の下げ幅としては過去最大だった。息をのむような恐ろしい事態だった。

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