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「ゴミ屋敷になった実家に帰省」片付け決意の顛末 「生前整理」をするか否か、それぞれの選択を追った

東洋経済オンライン / 2024年12月30日 11時0分

しばらく帰らないうちにゴミ屋敷となっていた実家。子どもたちはどう対応すればいいのだろうか(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)

年末の大掃除をしながら、働き世代の人々は頭の隅でこんなことを考えるのだ。

「そろそろ実家も片付けないと……」

親だっていつまでも元気なわけではない。子どもの頃はなんとも思っていなかったけど、今考えると実家はあまりにもモノが多すぎる。親に何かあったとき、あの家は一体どうなってしまうのだろうか。

高齢の親を持つ人たちは「実家の片付け」とどう向き合えばいいのか。ゴミ屋敷・不用品回収の専門業者「イーブイ」(大阪府)を営み、YouTube「イーブイ片付けチャンネル」で片付けの現場を配信する二見文直氏(以下、二見氏)から、実際の事例をもとに聞いた。

4世代分のゴミが溜まる「忍者屋敷」

「実家の片付け」が生じるケースは、いくつかの種類に分けられる。まずは先祖代々のモノが溜まりに溜まってしまったケース。田舎に建つ広いお屋敷のような実家が陥りがちだ。

【写真】「1200袋の大量ゴミ」「築150年のお屋敷にあった謎の隠し扉」…広すぎるゴミ屋敷がスッキリ綺麗になった!【ビフォーアフターを見る】

大阪府の某郊外――。駅から離れた場所にある住宅街を進むと、塀で四方を囲んだ瓦屋根のお屋敷がある。外から中の様子をうかがい知ることはできないが、敷地に足を踏み入れるとすぐにこの屋敷が抱えている問題が見えてくる。

中庭の先に見える納屋がゴミやモノであふれているのだ。築約150年という古い家とあって、母屋には土間がある。そして、台所と4つの和室。生ゴミといった生活ゴミの類いはないものの、広い屋敷の中もゴミやモノでいっぱいになっていた。

【写真】「築150年のお屋敷にあった謎の隠し扉」「1200袋の大量ゴミ」…広すぎるゴミ屋敷がスッキリ綺麗になった!【ビフォーアフターを見る】(37枚)

この家で生まれ育った90代の男性は、働きに出た後、今から20年前に再びこの屋敷へ戻ってきた。男性の両親もこの家で生まれ育ち、亡くなるまで暮らしていたという。今回、イーブイに依頼をした男性の娘まで入れると、実に4世代分のゴミやモノが溜まっていることになる。

現場にいた二見氏も、「この家はホンマにモノの量が尋常ではなかったです」と振り返る。なぜ、これほどまでに物量が増えてしまったのか。

「自分がこの家に戻ったときに、古いモノは捨ててしまえばよかったんだけど、家が広いもんだから“押し込め、押し込め”というふうになってしまったんです。そのとき方々に住んでいた兄弟たちの家も狭くてね。『荷物を置く場所がないから、置いておいてくれ』と言うもんだから、さらに量が増えてしまった」(住人の男性)

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