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「家電→PC→メイド喫茶」秋葉原"主役交代"の歴史 アナログ写真を見れば歴然「60年前と今」街の差

東洋経済オンライン / 2025年1月9日 9時0分

90年代はバブル崩壊後の不況の時代。オフィスにも人員削減や効率化の波が押し寄せて、業務へのオフィス機器導入も進み、ワードプロセッサー、ファクシミリ、パソコンが普及するようになった。そして90年代後半の秋葉原ではこれらオフィス機器に加え、携帯電話、PHSなどのマルチメディア製品が主力商品となっていく。

そのパソコンの街が、さらに“おたく”の街となっていったのは90年代後半頃。パソコン趣味の延長線上にあったゲーム、アニメ、フィギュア関連商品を扱う店が増え、これらアニメ、ゲームが徐々に日本のメインカルチャーとして認識されるにつれて、秋葉原はクールジャパンを代表するポップカルチャーを発信する街へとさらに変容していった。

2000年には老舗であるヤマギワが家電事業から撤退、第一家庭電器は2002年に経営破綻、石丸電気は2008年に家電量販店のエディオンに子会社化され、秋葉原を代表する店の屋号はこの街から消えていった。

ターニングポイントとなった2005年

そんな秋葉原に、またまた大きな変化が訪れたのは2005年だった。この年、秋葉原を起点に、埼玉、千葉を経て筑波学園都市に至るつくばエクスプレスが開通し、秋葉原駅が開業。

また、家電量販店であるヨドバシカメラの大型店「ヨドバシAkiba」が駅前に開店。もとは新宿西口のカメラ店だったヨドバシはこの時期家電量販店として全国に出店するようになり、秋葉原の大型家電店に取って代わる存在になっていた。

また、秋元康プロデュースによる「AKB48劇場」が秋葉原に開場したのも、この2005年だ。「会いに行けるアイドル」をコンセプトにした「AKB48」は、この後日本のトップアイドルグループとなる。

そして2005年から2006年にかけては、秋葉原駅前の旧神田青果市場跡地に秋葉原ダイビル、秋葉原UDXのオフィスビルが竣工し、街のオフィス街化も進んだ。

現在の秋葉原の中央通り沿いには何店かのパソコン店はあるが、家電店で90年代当時からの商品構成を続けているのは駅前の「オノデン」くらい。

以前の大規模家電店のほとんどは新しいビルに建て替わり、ゲーム関連商品、キャラクターグッズ、フィギュア専門店、外国人観光客向けの免税店などになっている。今やこの街は“世界のアキバ”、日本を代表するポップカルチャーの街になっている。

“基幹産業”になったメイド喫茶

現在の秋葉原はと言うと、平日の昼間も大変な人混みで賑わっている。道をゆく大半は20代前後の男性客だが、外国人観光客も多い。街のあちこちではビラ配りのメイド喫茶のメイドさんの姿も見かける。

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