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マセラティ「110周年」栄枯盛衰ブランドの現在地 東京・モデナ同時開催イベントで見た神通力

東洋経済オンライン / 2025年1月10日 13時30分

東京プリンスホテルに並んだ新旧マセラティの中でも、とりわけ希少なのが、レーシングモデルの「A6GCSスカリエッティ(1953年)」だ。

「A6GCS」は、グランプリ用のF2マシンとして開発された車両で、今回持ち込まれた個体はその名のとおり、イタリア車ファンにはよく知られたカロッツェリア・スカリエッティが製作したボディをまとう。なんと、世界に1台きりのクルマだとか。

この記事の冒頭で「“発見”された車両もある」としたのは、1968年に日本に輸入され、2017年に茨城県の倉庫で見つかった「メキシコ(1968年)」のこと。

このメキシコは、塗装もオリジナルなのか、ツヤが失われており傷んで見える状態のままの参加であったが、それが逆に歴史を大切にするオーナーの心意気のように感じられた。

車体を製作したビニャーレのために、ジョバンニ・ミケロッティがデザインしたボディの美しさも、依然として大きな魅力だった。

スーパーカー世代からは、オリジナルの「ギブリ(1968年)」「ギブリスパイダー(1969年)「ギブリSS(1972年)」や「インディ(1971年)」「カムシン(1974年)」、それに「ボーラ(1975年)」などが、注目されていた。

さらに古いマセラティを愛する層は、「ミストラル(1964年)」や「ミストラルスパイダー(1965年)」「シーブリング シリーズⅡ(1965年)」、そして先に触れた「A6GCS」や「メキシコ」に、おおいに食指を動かされていた模様だ。

それよりあとの世代は、「ビトゥルボE(1987年)」「222E(1989年)」「222SE(1991年)」「スパイダーザガート(1991年)」、それに「クワトロポルテⅣ(1998年)」も、心惹かれる存在だったと言っていた。

販売トップもクラシック・マセラティのオーナー

「歴史に名を刻む貴重なクルマを見ることができ、各車両の状態の美しさもさることながら、これだけ多くの日本のオーナー様がマセラティを長く大切に愛してくださったことを改めて実感できた日でした」

マセラティ ジャパン代表取締役であり日本・韓国統括責任者の木村隆之氏は、会場でそうスピーチした。

木村氏自身も、1989年の「ギブリ」を少し前に購入しており、「それなりに手はかかるけれども、あの時代のマセラティへの憧れが強かったので、楽しんでます」と笑顔でコメントしてくれた。

木村氏のギブリ購入に関して、同じように(ショートデッキのクーペボディ、ウッドのダッシュボード、ゼニアのシート地、金色のアナログ時計などに)憧れていた、という声も多く聞かれた。

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