子どもに「デパコスほしい」と言われた親の"正答" 「小学生には早い」と怒る人に知ってほしいこと
東洋経済オンライン / 2025年1月10日 9時0分
デパコスを手放しでお勧めできない理由
一方で、前述した「デパコス」のような大人向けのコスメを子どもに使う場合には注意が必要だ。
大人の肌であれば浸透しない成分も、13歳未満の成長途中の肌には浸透してしまい、肌荒れやアレルギーを起こすなど刺激が強すぎるものもあるという。
「メイクの仕事をしている私ですら、子どもたちがメイクをしている様子を見て、このティントリップ(落ちない口紅)やつけまつげって肌荒れしない? 子どもにとって大丈夫なんだっけ? と思うことがあります。メイクに詳しくない普通の保護者の方であればなおさら不安や疑問に思うこともありますよね。
私自身、10代後半のときに化粧品にかぶれて肌荒れしてしまって、20代もメイクができない日々を過ごしていました。子どもたちにそんな思いはしてほしくありません」
何よりメイクはあくまで「楽しむ」ためのもの。不安や争いの材料にはしてほしくないとイガリさんは語る。それは、肌へのダメージだけでなく、金額的な負担も同じことだ。
「私自身、自分のコスメブランドをつくったときに『バイト2時間分』という価格設定にしました。昔、モデルさんに憧れてブログで紹介されていた4万〜5万円もする服を買い、借金を抱えてしまった友人がいたんです。そういうところで、どうしてもメディアの影響は出てきてしまいますよね。
あまりに高価な価格帯の商品を勧めてしまうと、大人との境目もなくなってしまいますし、度が過ぎると保護者の方も一緒に楽しめなくなってしまうのではないでしょうか」
そもそも小学生にコスメは不要?
かといって「子どもに化粧は必要ない」と突き放すのではなく「安全で楽しい美容への向き合い方」を早くから教えることが重要だという流れが、美容業界全体でも強まっている。
美容はメイクだけでなく、スキンケアもそうだ。大手化粧品会社コーセーでは、2024年から子ども向けのスキンケア事業「Dear Child Skin」が立ち上がっている。
イガリさんの本『わたしもまわりも笑顔になる 小学生のメイク本』でも、皮膚科学的な観点からキッズメイクとどう向き合うべきか、メイクとセットで考えたい肌の健康のことなどについて専門家に取材している。
「今の小学生にとって、メイク道具は文房具みたいなもの。不要といって切り捨ててしまうよりも、メイクをしたらちゃんと落とす、肌荒れしているときはメイクをしないなどのルールを決めて、安全に楽しむ方法を一緒に学んでいくことに目を向けてほしいです。
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