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子どもに「デパコスほしい」と言われた親の"正答" 「小学生には早い」と怒る人に知ってほしいこと

東洋経済オンライン / 2025年1月10日 9時0分

また、メーカーによっては子どもが使えるものとして公式サイトに情報を載せているブランドもあります。

日本では学校の校則でメイクを禁止されることがほとんど。ですが、就活のときになって急に、それまで禁止していたメイクをしなさいというのでは、当然うまくできないし子ども本人も戸惑いますよね。

もちろんルールは守らないといけません。ですが、ダンスが必修科目になったように、将来的には学校教育でもメイクとの向き合い方を授業に取り入れられるような社会になればいいなと思っています」

とはいえ、ネット上では親世代の批判的な意見ばかりが目立つ。実際のところはどうだろうか。

美容に特化したコンサルティングファーム「ampule(アンプル)」が15歳以下の子を持つ親600名を対象に「中学生以下の子どものメイクについてどう思いますか?」という調査を実施。

すると、「メイクを早くから学ぶべき」と回答する人は約3人に1人おり、「周りの目は気にならない」と回答する人は約9割いた。また、安全性の面で不安があると答えた人は、約6割という結果になった。

こうした結果からも、安全性への配慮は求められるものの、実際にはキッズメイクに否定的な親ばかりではないということが言えるのではないだろうか。

小さな変化が子どもたちの自信に

昨年末には前出の小学生メイク本の出版を記念して、イガリさんが教える親子向けのメイクレッスンイベントが発行元の講談社で開催された。

本の中でモデルを務め、小学生向けギャル雑誌『KOGYARU』の専属モデルでもある、りゅあちゃんをゲストに迎えた会場には、豹柄やフサフサの尻尾、レッグウォーマーなど2000年代のギャル文化を思わせるようなファッションの子どもたちが多数押し寄せた。

憧れのりゅあちゃんに会えたと喜ぶ子どもたちが、イガリさんや保護者のアドバイスのもとに涙袋やリップのメイクを笑顔で楽しむ様子はとてもハッピーな空気に包まれていた。イベントに訪れた小学5年生の子にメイクをする理由について聞いてみた。

「メイクは友だちに教えてもらいました。キラキラするものが好きで、キラキラをつけると嬉しいし、鏡を見るのが楽しくなります」

そうした小さな変化が、彼女たちの自信につながっているのだ。日本財団が2024年に日本や米国など6カ国で各1000人の若者を対象に実施した「18歳意識調査」(※)では、日本の若者の自己肯定感は他国の若者に比べても低いという。

​​イガリさんは、そういった日本の若者の自己肯定感を上げるためにもメイクが一助になればと話す。

時代とともに価値基準は移り変わる。キッズメイクについても、決して自分たちの時代の常識に当てはめずに、子どもたちと一緒に考えたり調べたりすることで、新たなコミュニケーションツールにもなるのではないだろうか。

(※)日本財団18歳意識調査結果 第62回テーマ「国や社会に対する意識(6カ国調査)」

イガリ シノブ:ヘアメイクアップアーティスト

岡部 のぞみ:ライター/編集者/「ampule」ブランディングマネージャー

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