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トランプ発言で注目「カナダ」の日本との"深い縁" キャノーラ油の品種改良の背景に"両国の信頼"

東洋経済オンライン / 2025年1月15日 16時0分

よって、ウクライナ危機以降、小麦価格は日本国内でも高騰している。麺類・パン類を中心にした外食でも、スーパーなどでの買い物でも、小麦に関連した物品の値上がりは顕著で、日々のニュースでも取り上げられている。

とはいえ、日本の状況は、他の多くの小麦輸入国と比べれば、ウクライナ危機の影響は一定の範囲にうまく制御されているといえる。なぜならば、日本はウクライナからもロシアからも小麦を輸入しておらず、影響は間接的なものだからだ。

ウクライナやロシアからの小麦に依存している国々は大変だ。

アメリカ農務省の穀物等需給報告によれば、ウクライナは、小麦生産で世界9位、輸出は世界第5位だ。しかも安価。主な輸出先は、中近東、アフリカ、南アジアだ。

ロシアのウクライナ侵略で黒海の小麦積出港が封鎖され、世界のマーケットからウクライナ産が締め出された結果、小麦輸出がほぼ半減、穀物価格が2倍になり、これらの国は死活問題にさらされた。

小麦、あるいは小麦代替穀物の調達が急務だ。人道的な観点からも国際社会の喫緊の課題である。

2022年7月には、国連とトルコが仲介する形で、黒海からウクライナ産小麦の出荷を可能とする枠組みが実現した。ウクライナにとっても小麦輸入国にとっても朗報であった。

しかし、この枠組みには、当然のことながらロシアの思惑が絡む。ウクライナの戦場の動向とも無縁ではない。

ウクライナ軍が反転攻勢に出た頃、2023年7月、ロシアは黒海穀物輸出枠組みの停止を一方的に宣言する。小麦をも侵略の道具とするロシア。お金があっても小麦が買えなくなってしまった。それが、国際社会の現実だ。

そこで、カナダ政府は、ウクライナの小麦に大きく依存しているエチオピア、イエメン、スーダンなどに対し、国連世界食糧計画(WFP)を通じ、数百万トンの小麦を支援している。

アメリカはじめ各国も、ロシアの動きを批判すると同時に、食料援助を強化してはいる。それでも、地政学リスクは深刻化している。

黒海からのウクライナ産小麦の輸出が動き出した頃のことだ。筆者は2022年8月、カナダ中西部の一大穀倉地帯、サスカチュワン州の小麦集荷施設を視察する機会を得た。

見渡す限りの平原に屹立する、穀物エレベーターと呼ばれる設備だ。周辺の小麦農家から、収穫した小麦が巨大なトラックで運ばれてくる。積まれている小麦を、最新のセンサーとコンピュータ・システムを活用し、水分含有量を含め詳細を計測すると、特A級からE級に迅速に分類して、巨大なサイロに保管する。

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