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再開発の東京で増える「金太郎飴ビル」への"反動" 高層ビルが乱立するなか余白を意識した施設も

東洋経済オンライン / 2025年1月15日 8時30分

一方、これらの増加に伴って論点となってくるのは、「いかに建物ごとの違いを出せるか」であろう。そうでないと、建物としての経営が厳しい。麻布台ヒルズはオープンしてから数カ月で「ガラガラ」といった報道も見受けられるようになった。

特に、TAKANAWA GATEWAY CITYは「観光地」的な要素も強いから、観光客に長く選ばれるためには、施設としての個性をどう演出するのかが重要だ。

同施設内には、「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」という、「あらゆる人たちのクリエイティブな活動、表現、情報発信、文化を育む」複合文化施設ができる。ここに、月見テラスや足湯、畳敷きの部屋などができるという。

こうした施設の強みを活かすことができるかどうかが、鍵になりそうだ。

オフィスビルの個性をどのように付けていくか

さらに、こうした再開発案件は特に東京の他の場所でも進んでいる。

12月には、池袋に「IT TOWER TOKYO」が開業。近年再開発が進み、オフィス需要が高まっている池袋での需要を満たす構えだ。

ここにも4階までに商業施設が入居するが、ここは上層階のオフィスワーカーが使うこともさることながら、池袋の再開発のピースの一つとして、街の魅力の向上に資することも期待されている。そのためにも、魅力ある商業施設の誘致が重要になる。

特に池袋は、「南池袋公園」や「イケ・サンパーク」など、広々とした公園で評価の高い開発案件も多く抱える。それらとの相互作用をうまく作り出せるかもポイントだ。

東京以外でも、オフィスビルの再開発は続く。それが、「100年に1度」の再開発で話題になっている、福岡・博多だ。

博多では現在、「博多コネクティッド」と呼ばれる規制緩和までも含めた再開発計画が進行中だが、そのプロジェクトの一つである「博多駅前三丁目プロジェクト(仮称)」が6月に竣工予定である。

本計画の特徴の一つは、既存のビルを活かして、解体などに伴って排出されるCO₂をなるべく減らすようにして作られていること。こうした既存の建物を活かした再開発プロジェクトは徐々に増えてきているが、その点でも注目できる事例だろう。

さまざまに再開発されるビルが増えていく中で、「ただ建てる」のではなく、それぞれの個性や違いを求められるようになってきている。それらがどのように個性を出していくのかも、2025年の新規案件の見どころだ。

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