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再開発の東京で増える「金太郎飴ビル」への"反動" 高層ビルが乱立するなか余白を意識した施設も

東洋経済オンライン / 2025年1月15日 8時30分

さて、次に注目したいのが「②都市の余白としての「公園」の増加」。

開発案件の増加に伴って高層ビルが増えている一方で、都市の中の「余白」を作っていこうという動きも出てきている。特にそのとき、「公園」の整備が行われることも多い。

例えば、1月に誕生する「銀座ソニーパーク」。パーク(公園)という名前の通り、ここには、全館にわたって常設のテナントは入らない。そこで行われるイベントや広告費によって施設の運営をまかなうという。

同地は、日本でも指折りの公示地価が高い場所として知られる。そこで、テナントを入れないというのはかなりの決断である。

この背景には、ソニー創業者である盛田昭夫氏の思想がある。

ソニーパークが誕生する場所には、かつて「ソニービル」というソニーの展示場が建っていた。盛田氏は、そのビルを「街に開かれた施設」というコンセプトにして、中にあった10坪のスペースを、街に来る全員が楽しめる「銀座の庭」と呼んでいた。

ソニーパークでもこの「開かれた施設」という思想が継承され、テナントをまったく入れない「余白」的な場所にするわけだ。

筆者がこの計画を見て思い出したのは、昨年、原宿に誕生した「ハラカド」だ。

この施設の4階はほとんどテナントが入っていない空間で、植栽とベンチが広がっている。完成当初から大きなインパクトを与えていたが、ソニーパークの考え方もこれに近いだろう。

立て続けにこうした施設が誕生しているのは、東京オリンピック前後に進んだ東京の再開発に対する一つの疑問の現れなのかもしれない。

筆者は自身の記事で、東京にできる高層ビルや商業施設がなぜかどれも同じような感じだと指摘し、時にそれを「金太郎飴化」と表現しているが、すでに「金太郎飴ビル」に対するカウンターが現れてきているのだ。

全国で「余白」的な空間も増えていく

さらに、東京以外でも「余白」が生まれる施設が誕生する。

4月には大阪に「グラングリーン大阪」の南館が竣工。同施設といえば、巨大な都市公園である「うめきた公園」が大きな話題を呼んだことが記憶に新しい。

大阪駅前の一等地に巨大な「何もない」空間が出現したことは、強いインパクトをもたらした。筆者もそのスペースに驚いた一人であり、以下の記事に詳細は書いたので、興味があれば読んで欲しい。

関連記事:大阪に爆誕「うめきた公園」があまりに凄かった件 グラングリーン大阪は再開発の転換点になるかも

そんな「グラングリーン大阪」に新しい施設が誕生する。この南館には、公園を望むことができるスパや、ホテルなどが入居する。南館自体は一般的な商業施設のようにテナントが入る空間だが、背後にあるうめきた公園の空間とどのように馴染んでいくのかが注目ポイントだ。

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