ホンダ新型「N-VAN e:」商用軽EVとしての特異性 徹底的に配送ドライバーを考えた電動化の姿
東洋経済オンライン / 2025年1月16日 13時0分
サブスク方式では「Honda ON限定タイプ」として、「e: G」(1人乗り)月額3万3000円〜(月間走行距離3000kmの場合)と、「e: L2」(1/2人乗り)月額3万4730円〜(同)の2タイプを用意する。
CEV補助金は自家用(白ナンバー)で55万円、事業用(黒ナンバー)で約100万円。さらに自治体によって最大で85万円が上乗せされる。そのため、ガソリン車と同等の費用でクルマを購入することが可能だ。
ルートセールス経験者としてN-VAN e:を試乗
ところで筆者は過去、軽商用バンでのルートセールス経験がある。当時のスズキ「エブリィ」とホンダ「アクティ」を伴侶に都内を毎日70~80km走りまわっていた。排気量は660ccだったが、全長は3.3m以下と現法規より10cm短かった時代。そこでの運転経験を思い出しながら、今回のN-VAN e:では徹底したルートセールスモードで試乗を行った。
軽商用バンの主戦場は商店街や都市部、そして住宅街。いずれも道幅は狭く、人通りは多くて坂道も多い。狭い場所への駐車も頻繁に行い、乗り降りは日に何十回と繰り返す。些細なことだが、ドアノブ位置ひとつでクルマの評価がガラリと変わる。
河川沿いの行き来では頻繁に橋を渡るわけだが橋梁部分は上り、下りの坂がある。ときに1桁国道も走るが、そこでは周囲のクルマに負けじとアクセルを踏み込む。そうしないと最大積載量350kgの負荷でたちまち流れにおいていかれてしまう。
頻繁なストップ&ゴーも軽商用バンの評価ポイントだ。660ccとはいえNAエンジンが主流、しかも積載を考えたギヤ比なので軽乗用と比較すればローギヤード化され、結果エンジンは終始うなり気味。わかりやすくうるさく、上下左右に身体は常に揺さぶられる。若かったので体力もあったが、それでも夕方にはグッタリだった。
商用車でありながら乗用車的な乗り味
N-VAN e:最大の特徴は使い勝手をそのままにBEV化したことだ。働くクルマの環境を意識して、これまで普及してきた内燃機関の軽バンと同じような動力性能になるよう、あえて出力特性をなだらかに設定している。余力はすべて電費性能の向上に当てた。
乗り味は最新のホンダBEVそのもので、乗り心地から電動パワーステアリングのフィールまで、従来の商用軽バンとは180°異なり乗用車のようなフィーリング。ここは競合のミニキャブEVやASF2.0に対するアドバンテージだ。
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