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ホンダ新型「N-VAN e:」商用軽EVとしての特異性 徹底的に配送ドライバーを考えた電動化の姿

東洋経済オンライン / 2025年1月16日 13時0分

とはいえAER100kmでは足りないように思えるが、軽バンの1日当たり平均走行距離は100㎞未満。事実、筆者の過去の実働では100㎞を超えることはなかった。今回、真剣にルートセールスモードで走らせたが、結果はWLTCの市街地モード電費である11.76km/kWhの約80%にあたる9.3km/kWh(外気温27度、全グレード標準装備のオートエアコンはAUTOモードで24.5度設定)。

充電方式は、普通充電6kWと急速充電50kWに対応する。二次バッテリーは薄型のラミネート型で、必要に応じて冷却/加温することで外気温に左右されにくい電費性能を確保した。

BEV化にあわせて走りも強化

電動駆動モーターはグレード別に最高出力39kWと47kWにわかれるが、定格出力は同じ39kW(ミニキャブEVは定格25kW/最高31kW)。最大トルクは162N・mとミニキャブEVの195N・mより低い値だが、N-VAN e:ではモーターを高回転化させるなどして、タイヤをまわす指標である駆動トルクでは1720N・mを確保した。

BEV化に伴う約200kgの車両重量増加への対応と、確かな制動性能を確保するためタイヤサイズを大径化。軽商用バンの一般的なタイヤサイズは12インチだが13インチにしてブレーキサイズを大きくした。タイヤの指定空気圧は前輪300kPa、後輪350kPa。タイヤを大きくして、かつタイヤ内の空気量を多くすることで、積荷が増えた際のタイヤ荷重負荷をやわらげつつ、積荷に伝わる衝撃値も下げている。

ベースのN-VANもそうだが、N-VAN e:は街によく馴染むデザインだ。プロの道具感と、適度な垢抜け感を演出したスタイルの融合はいかにもホンダらしい。往年の3代目シビックにラインアップされていた「シビック・プロ」(1983年)のようなシャープさが見た目にも美しい。

インテリアのデザインも秀逸だ。1人乗り仕様、もしくは運転席と、その後の席のみとなる2人乗り仕様では、助手席エアバッグが必要ない。よって、グローブボックスを廃してエアコン吹き出し口を可能な限りフロントウインド側にセットバックさせ、極限までスペース効率を高めている。

商用と乗用の二面性を考えたら4人乗りがベストだ。助手席/後席ともに前倒しすることで運転席以外、完全なフラットな床面になるからだ。シートの背もたれ部分の裏側、つまり前倒した際の床面にあたる部分には硬めの素材が用いられ積載時のおさまりも良い。

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