ローソン「最近めちゃ行く人」が増えた納得の理由 消費者に寄り添った、実用的なコンビニに進化
東洋経済オンライン / 2025年1月17日 8時40分
いずれにしても、顧客側から見た「お得さ」「楽しさ」がこうした施策に表れている。
デリバリーの充実と商品ラインナップの拡充で利便性を向上させた
2つ目は、利便性の向上である。
特に、大きな増益エンジンとなったのが、デリバリーサービスとの連携。ローソンはコンビニ各社の中でも早い段階、2019年からウーバーイーツとの連携を始め、アプリ上でローソンの商品を頼むことができるようになった。
2021年の東京オリンピックの際には、ウーバーを通し、代表商品である「からあげクン」などが多く買われたという。その後はコロナ禍の追い風もあって、出前館・Wolt・menuの3社との連携も開始。現在では、計4社でデリバリーが使える。
セブン-イレブンが7NOWを通した宅配のみ(一部、ウーバーダイレクトに宅配業務を委託)、ファミリーマートはmenuだけでしかデリバリーができないことを踏まえると、特にコンビニ商品のデリバリー需要を総取りしている状態だ。
また、利便性でいえば商品ラインナップでの革新も続いている。2020年からはじまった「無印良品」とのコラボは好調で、2024年7月時点で全国47都道府県13000店で扱われている。また、ローソンによれば、無印良品の商品を導入したカテゴリーの2022年度の売上高は、前年度と比較して平均で3割以上伸長しているとのこと。
ファミリーマートは現在、自社開発でウェアを販売し、売り上げを大きく伸ばしている(ちなみに、かつては無印良品と組んでいた)。コンビニ市場の中で「衣料品」の存在感が高まっているが、その中で「無印良品」という人気コンテンツを手に入れられたのは大きいだろう。
また、商品ラインナップでいえば、2020年からはじまった「まちかど厨房」も集客の誘引力になっている。これは、店内厨房設備でお弁当やサンドイッチを作り、提供するシステムで、導入時から好調だった。
現在では全国9400店舗で展開されており、地域ごとの材料を使った「エリア別まちかど厨房」も利益を支える。
これと前後する形で「冷凍食品」ラインナップの充実にも力を入れているが、共働き世帯や単身世帯の増加により、こうした身近で簡単に食べられる食品の需要は増している。
スーパーマーケットは、その多くが食品分野に力を入れる「食品スーパー」になりつつあるが、こうした流れと連動しているのだろう。スーパーの品揃えとコンビニの利便性が掛け合わさった、新しい場所になりつつあるわけだ。
異業種コラボで「便利で」「楽しい」空間を
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