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ローソン「最近めちゃ行く人」が増えた納得の理由 消費者に寄り添った、実用的なコンビニに進化

東洋経済オンライン / 2025年1月17日 8時40分

この点で対照的なのがセブン-イレブンの「うれしい値!」。

以前、筆者はこのネーミングについて「お得かどうかを決めるのは消費者であって、どこか企業側の押し付けがましさを感じる」と書いた。

関連記事:セブン「高級路線で客離れ」に見る大苦戦の真因 消費者視点が薄れ、「上から目線」な企業に…?

一方で、「盛りすぎチャレンジ」には、そうした感覚はあまりない。

いま、わざわざこんな瑣末な話をしたのは、ローソンはかつて「消費者目線」の問題で痛い目を見たからだ。2020年、ローソンはプライベートブランドのパッケージを一気に変えたが、その際、デザインが「見づらい」「商品の種類がわかりにくい」として炎上したのである。

確かに、パッケージはオシャレでスッキリしているがゆえに、商品の違いがわかりづらかった。ローソンはすぐに同デザインを撤回し、より商品が見やすいパッケージへの変更を行う。

ここでの経験から「オシャレさ」よりも「実用性」に商品の方向性を振り切ったのかもしれないが、いずれにせよ「消費者目線」での政策ではなかったわけだ。

ここでローソンを批判したいのではない。むしろ、このようなさまざまなチャレンジを行い、ときにそれを修正しながら改革を続けているからこそ、今回のような業績の好調さが生まれたのではないか、と思うのだ。

チャレンジを続けてきたローソンはどうなるか

同社の現代表取締役の竹増貞信氏は副社長時のインタビューで、以下のように述べている。

「特にローソンは、チャレンジしていこう、という文化が会社の中にあります。だから、何かをやろう、というときに、違和感はありません。[…]失敗したらやめればいい。やり方を変えてみればいい」(上阪徹『なぜ今ローソンが「とにかく面白い」のか?』/2015年・あさ出版)

もちろん、会社側が語っていることだし、社内でも視座の高い人の話なので、良いふうに言っている面もあるだろう。

だが事実として、セブンが苦戦する中でローソンは業績を向上させているし、「ハピろー!」をはじめとするさまざまな取り組みや、他業種とのコラボレーションは、良い影響を生んでいるのは間違いない。

こうした「チャレンジ」が「消費者目線」を作り、同社の業績を底上げしているのだろう。

ちなみに、個人的にローソンで面白いな、と思ったのは、最新の決算説明会資料で付けられた「ローソン・タウン」構想だ。

ローソン店舗を核として、農場や発電所、住居までをも包括したいわゆる「コンパクトシティ」のような計画である。

ローソンはショッピングモールかもしれない、と書いたが、それにとどまらず「街」を目指しているのだ。

あまりにも巨大な夢かもしれない。しかし、日本の成長が停滞し、未来に大きなビジョンを描きづらくなっている現在、こうした「ビジョン」が大きく掲げられているのは、とても面白いし、良いことだと思うのだ。

そして、そのビジョンに向かってチャレンジを続けているのが、今のローソンの姿なのである。

その他の画像はこちら

一方、セブンはと言うと…

谷頭 和希:都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家

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