ローソン「最近めちゃ行く人」が増えた納得の理由 消費者に寄り添った、実用的なコンビニに進化
東洋経済オンライン / 2025年1月17日 8時40分
3つ目は、空間としての楽しさだ。
特にローソンは「コンビニ」という枠内に閉じこもらず、積極的に他業種とコラボレーションした店舗を展開している。
例えば、2000年からは病院内への出店をはじめ、2003年には調剤薬局とコラボレーションした店舗を出店(当時は「ファーマシーローソン」と呼ばれた)、2015年にはドラッグストア大手ツルハHDと業務提携し、ドラッグストアのノウハウを入れ込んだ店舗も展開する。
この背景には、「高齢化が進んで、遠くにはもう買い物に行けない。[…]でも近所の薬局はなくなってしまっている」という人に薬のインフラを確保する目的がある(上阪徹『なぜ今ローソンが「とにかく面白い」のか?』/あさ出版・2015年)。
ローソン×書店も進んでいる。書店取次大手である日販とコラボレーションし、「街の書店」がない場所にローソンと書店併設店を作っているのだ。2025年1月には30店舗目が開業し、少しずつ数が増えている。
日販によれば、本・雑誌カテゴリーの売り上げは通常のコンビニエンスストアの約20倍まで上昇しており、ローソンとの買い回りを含めて、利益に貢献しているわけだ。
また、昨年には一部のローソン店舗で導入されていたUFOキャッチャー導入店を増やすことを発表。こちらはゲームセンター併設店と見なすこともできる。
コンビニを「何でも売っている場所」とするのではなく、さまざまな業態とコラボした空間にすることにより、「便利な空間」「楽しい空間」としても整備しているのがローソンだろう。
ちょっと余談だが、こうしたローソンの展開は、どこか「ショッピングモールへの接近」を思わせる。
「無印良品」がその一角を占め、向こうにはお惣菜を売る「スーパー」のような空間がある。そして、中には薬局や書店が付いていたりもする。まるでコンビニという空間に、さまざまなテナントが入っているかのようだ。
ショッピングモールの利便性を、小さな空間で体現しているのが、今のローソンの空間の魅力の一つなのかもしれない。
ローソンの「消費者目線」にも色々な歴史があった
以上、ローソン好調の理由について簡単にまとめてきた。これらをまとめて「消費者に寄り添っている」と思うのだ。
ちなみに、そのような姿勢は、瑣末なところでも出ている気がする。例えば、先ほども登場した「盛りすぎチャレンジ」。このネーミングは、どこか「我々ローソンがどこまで盛れるのかチャレンジしてみました!」という親しみやすさがあって、どんな内容なのか気になってしまう。
この記事に関連するニュース
-
ローソン、ファミマが増益=セブンは米国苦戦―24年3~11月期
時事通信 / 2025年1月15日 18時41分
-
コンビニ大手3社 独自施策でさらなる成長へ 商品力強化、サービスに磨き
食品新聞 / 2025年1月15日 11時15分
-
セブン「高級路線で客離れ」に見る大苦戦の真因 消費者視点が薄れ、「上から目線」な企業に…?
東洋経済オンライン / 2025年1月10日 8時40分
-
ローソンの「韓国コスメ」福袋が好調、発売の狙いは? 男性の購入も増えているワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月31日 13時10分
-
無印良品「地域土着化」で変容した売れ筋の中身 2021年に第2創業、客層が広がり最高益を更新
東洋経済オンライン / 2024年12月23日 8時20分
ランキング
-
1インフルエンザ猛威、要因はコロナ禍で流行しなかったことによる免疫力低下か…子どもの脳症に注意
読売新聞 / 2025年1月17日 14時32分
-
2「やめて…逆走自転車」 何でもアリじゃないのに…無法地帯状態!? 取り締まり強化も違反行為跡を絶たず! 道交法での扱いは?
くるまのニュース / 2025年1月17日 16時40分
-
3「高価な家電は使うな」移住先の“謎ルール”に困惑した32歳女性「ドラム式洗濯機や42型以上のテレビ」がNG。破った結果…
日刊SPA! / 2025年1月16日 15時51分
-
4保冷剤って、増えると捨てがちだけど…意外な活用方法 消臭、ボディケア…プロが教えるライフハック話題
まいどなニュース / 2025年1月17日 7時20分
-
5「フジテレビの疑惑」は氷山の一角である…女子アナがいまだに「大物芸能人の接待」に利用される本当の理由
プレジデントオンライン / 2025年1月17日 20時45分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください